【イベント報告】2/1(月) ~Human Rights Cafe~第2弾「紛争解決請負人 伊勢崎賢治さんと語る 紛争の現場から見た、安保法制発動の危険」

ヒューマンライツ・ナウは、2/1(月) ~Human Rights Cafe~第2弾「紛争解決請負人 伊勢崎賢治さんと語る 紛争の現場から見た、安保法制発動の危険」を開催しました。

当日は、多くの方が参加され満席となりました。
今回の企画は昨年9月に開催したHuman Rights Cafe「安保法制、そして日本のあるべき貢献」の第二弾として開催。
安保法制が成立した今、「紛争の現場から見た、安保法制発動の危険」というテーマで、テロとの戦いについても踏み込んだ非常に内容の濃いトークイベントとなりました。
ご来場いただいた方ありがとうございました。
また、今回参加できなかった方も、今後もヒューマンライツ・ナウではHuman Rights Cafeや様々なイベント・セミナーを開催していきますので、ぜひ次の機会にご参加いただければ幸いです。

以下、イベントに参加したインターンの報告をご紹介します。

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昨年9 月、安全保障法制が成立し、自衛隊は海外で武力行使や後方支援ができるようになりました。採決の有効性や憲法違反の問題も解決されないまま自衛隊が海外の紛争に参加するのかが問われています。HRN では、昨年9 月に開催したカフェの第二弾として、2016 年2 月1日、再び伊勢崎賢治氏をお招きして安保法制の危険性について語って頂きました。

まず、伊勢崎氏は「テロリストが世界をまとめる共通の敵となり、人類史上最大の集団的自衛戦が起きている」と対テロ戦争の現状について説明しました。9.11 以降、アメリカはテロ対策として戦争を起こしてきましたが、「敵の殲滅という軍事的勝利をあげることができなかった」とアフガニスタンやイラクを例に説明しました。そして、その混乱の中で「イスラム国(IS)」が誕生し、現状、国際社会はIS の対応に苦慮しています。

そのような状況の中、日本政府はテロや中国の脅威から国民を守ることを大義名分にして安保法制を成立させました。しかし、伊勢崎氏は「日本政府は世界情勢を見誤っている」と言い、立法事実を強く否定しています。現在、PKO に軍隊を派遣しているのは、発展途上国と周辺国のみで先進国は非軍人部隊を派遣していることを説明し、「自衛隊派遣にニーズがあるのか。軍隊派遣はPKO の一部分でしかない」と語気を強めました。いわゆる中国脅威論についても「中国が安保理での拒否権を失うような行為をするとは考えられない」と疑問を呈し、むしろ、中国の非軍事的な挑発に対して軍事的な対応を取ろうとしている日本政府の姿勢こそ問題だと指摘しました。

伊勢崎氏は安保法制の一番の問題点として「日本がアメリカと共に地球の果てまで軍事力を誇示すること」を挙げました。「この行為はIS に敵と判断される一因になる」と指摘します。紛争地域でないジブチに自衛隊の基地を作っていることやイスラエルでの安倍総理の会見により、すでに日本はIS の敵と判断されてもおかしくない状況を作り出していると指摘。 また、伊勢崎氏は、アフガニスタンで武装解除に関わった際に、軍事的占領をしてこなかった日本の平和構築の取り組みがアフガンの武装勢力や部族からも強く支持され、武装解除が進んだ経験を映像を交えながら語り、アフガンに駐留した他の国から羨望されていたと紹介。 日本はこの10 数年の間に非軍事という資源を失い、危険な方向に進もうとしている、ということが実感できました。伊勢崎氏は、取り返しのつかない事態を避けるため、安保法制を発動させないことの必要性を強く訴えました。 今回の講演では、国際社会の視点から安保法制を俯瞰し、問題点を再確認することができました。( 高木あずさ)

 

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