最近のフォーカス

いま私たちが行っている最前線の活動です。

ビジネス・CSRと人権

ユニクロ記者会見経済のグローバル化、先進国企業の海外進出に伴い、生産拠点となった途上国では、労働者や地域の人びとが児童労働、過酷労働、土地や資源を奪われる、環境を汚染されるなどの人権侵害に苦しんでいます。2013年にバングラデシュのラナプラザ・ビルが崩落し、多くの女性労働者が犠牲となり、労働環境が極めて非人道的であることが明らかになりました。しかし、そのビルで作られていた製品は、ベネトンなど、私達に身近な国際ブランドの製品でした。もし、グローバル企業が生産・販売のプロセスで人権尊重を徹底すれば、多くの人権侵害を避けることが出来ます。
2011年、国連人権理事会で採択された「ビジネスと人権に関する指導原則」(ラギー原則)が採択され、企業がサプライチェーンも含めた人権尊重の責任を負うことが明記されました。ヒューマンライツ・ナウでは、アジア地域に進出する世界の多国籍企業の動向を監視し、国際基準に基づき、人権侵害状況の改善を実現するように求めます。 また、日本の企業が人権に関する国際基準を守り、国内外での人権侵害に加担せず、積極的な社会貢献ができるよう、啓発・調査・キャンペーン、アドバイスを行っています。

  • 意識の向上:企業関係者、消費者、市民に対するセミナーなどを開催したり、企業とのダイアログを通じて、意識の向上を図ります。
  • 事実の調査:グローバル企業の生産現場における、搾取的労働、児童労働などの労働問題や、環境汚染の問題に関する現地調査を実施、その結果を公表します。
  • アドボカシー・キャンペーン:企業の人権侵害をなくすため、様々な働きかけやダイアログ、市民の意識向上のためのキャンペーンを行います。

女性の権利

how_we_work_factfinding女性・少女たちが暴力を受けず自由に暮らせるように。
世界中には、自由を奪われ、暴力にさらされながら生きている女性や少女がいまもたくさんいます。
パキスタンの勇敢な少女マララさんが世界に訴えているとおり、学校に行く権利を奪われたまま、人身売買の被害にあったり、子どもなのに結婚させられる少女は後を絶ちません。
また、深刻なドメスティック・バイオレンスやレイプの末に命を奪われるケースも多く、恋愛をしただけで親族から殺される「名誉殺人」という風習も一部の地域に残っています。
ヒューマンライツ・ナウは、国連機関であるUN Womenや、アジア各国の女性の権利に関する団体と連携し、女性に対する暴力や差別をなくすための法制度の改革を働きかけるなど、女性に対する人権侵害をなくすための活動に取り組んでいます。
また、日本でもDVや子どもの性的搾取など女性・少女の人権は十分に保障されていません。ヒューマンライツ・ナウは、日本国内でもDV防止法の改正を求めるなど、女性・少女に対する暴力や性的搾取をなくすために活動し、女性のエンパワーメントを図ろうとしています。
アジア地域では、女性の権利のために活動する女性活動家が、暴力を受けたり、逮捕されたり、時には暗殺の対象となることも少なくありません。ヒューマンライツ・ナウは女性人権活動家の保護のために行動するとともに、アジア地域で活躍する女性人権活動家をAsian Activistaと呼んで表彰し、その活動を応援しています。

東日本大震災・原発事故

日本(2011~)/東日本大震災発生後、約3年間で60回以上の無料法律相談会を実施ヒューマンライツ・ナウは、東日本大震災・福島第一原発事故後の被災者の方々の状況について、人権の視点から改善を求めて活動する唯一の国際人権NGOです。特に女性や子ども、高齢者、障害者など被災弱者の観点から充分な施策を求めて活動しています。
■ 法律相談  ヒューマンライツ・ナウは震災直後から、被災地の法律相談を続け、現在も岩手県大船渡、宮城県気仙沼で地元の方々と連携し、被災地法律相談を続けています。
■ 事実の調査  震災直後から避難所での生活環境を調査、その後仮設住宅の実情についても調査し、調査報告書を公表して改善を求めてきました。
■ 働きかけ
福島第一原発事故の影響で、汚染が深刻な地域に住む人々、特に、子どもや妊婦など放射能の健康影響を受けやすい人々の「健康に対する権利」は深刻な状況にあります。またや避難者に対する政府の支援も不十分です。ヒューマンライツ・ナウは国連に福島の実情を情報提供して国連の事実調査を求め、国連「健康に対する権利」特別報告者アナンド・グローバー氏の事実調査が実現。同氏は国連に提出した報告書に、原発事故後の人々の健康に対する権利を守るために政府に具体的で包括的な施策の改善を求める勧告(グローバー勧告)を盛り込みました。原発事故から4年以上経過した今、被災者を切り捨てる動きはさらに深刻です。ヒューマンライツ・ナウはグローバー勧告に依拠した被災者保護を求め、様々な団体と連携した活動を進めています。