国際人権NGOヒューマンライツ・ナウは、Justice For Myanmarと共同で提言書を発表しました。
米国がミャンマー国軍系企業であるミャンマー真珠公社(MPE)を制裁対象に指定したことを受け、日本企業のTASAKIに対し、ミャンマー国軍との取引を停止するよう要請します。
声明のダウンロードはこちら:【共同提言書】「米国がミャンマー真珠公社を制裁対象に指定したことを受け、TASAKIにミャンマー国軍との取引を停止するよう要請します」
(以下、全文)
ヒューマンライツ・ナウとJustice For Myanmarは、米国がミャンマー真珠公社を制裁対象に指定したことを受け、TASAKIにミャンマー国軍との取引を停止するよう要請します。
2021年4月21日:ヒューマンライツ・ナウとJustice For Myanmarは、2021年2月1日の軍事クーデターを受けて、米国政府がミャンマー国軍系企業であるミャンマー真珠公社(MPE)を制裁対象に指定したことを歓迎します。ミャンマー国軍は、MPEをはじめとする軍系企業からの収益を利用して、国の支配権を握ろうと、無法に市民への人道に対する罪を犯しています。私たちは、日本企業であるTASAKIに対し、ミャンマーで民主主義が回復し、MPEが事業において人権を尊重することができるようになるまで、MPEとのすべての取引を直ちに停止することを求めます。
国連「ビジネスと人権に関する指導原則」では、継続的な人権デューディリジェンスを行い、事業活動や取引関係上で発生する人権侵害を防止するという人権尊重責任が企業には求められています。それに反して、ヒューマンライツ・ナウが4月2日に発表した「報告書 ミャンマーの人権侵害と日本企業の関与と責任 ~ビジネスと人権に関する指導原則の観点から~」でも取り上げたように、TASAKIはMPEとの取引を継続し、人権侵害へ加担を行っています。TASAKIは軍事政権との取引を継続することで、軍事クーデター以降の意図的な殺害、拷問、無差別空爆などの軍が犯している国際犯罪に資金を提供していることになります。また、MPEとの利益分配契約に基づいて運営されているミャンマーのTASAKIの真珠養殖場は、ミャンマー南部のタニンダーリ地方にあり、先住民族であるモーケン族の土地と水の権利を喪失させました。
ヒューマンライツ・ナウ伊藤和子事務局長のコメント:
「TASAKIは、最も有名な真珠のラグジュアリー企業の一つとして、MPEとのビジネス関係を通じて、ミャンマー軍による人権侵害に加担することは避けなければなりません。国連ビジネスと人権に関する指導原則を遵守するためにも、TASAKIはMPEとの関係を断つべきです。そうしなければ、TASAKIは重大な違反行為を行っていることが明らかな企業とつながり、日本企業と日本の市民の名誉を傷つけることになります。私たちは、TASAKIが人権を尊重する責任を果たし、軍と関係のあるMPEとの取引を直ちに中止することを強く求めます。」
Justice For Myanmarのスポークスマン、Yadanar Maung氏のコメント:
「TASAKIがMPEとのビジネスを続ける限り、TASAKIは、ミャンマー国軍が国民への人道に対する罪と、起こり続ける恐怖のテロ活動に加担していることになります。今、行動を起こさなければ、TASAKIの真珠はミャンマーの人々の血で汚れてしまいます。私たちは、TASAKIが人権上の責任を果たし、国軍との取引を直ちに停止すること、そしてモーケン族に与えた損害を賠償することを求めます。」
最新の公表データによると、TASAKIのミャンマー子会社は、主に輸出用の真珠を生産し、世界中で販売しています。TASAKIのホームページには、日本、オーストラリア、カナダ、中国、フランス、香港、シンガポール、台湾、イギリス、アメリカの店舗が掲載されています。
以上
本プレスリリースに関する問い合わせ先:
Human Rights Now: info@hrn.or.jp
Justice For Myanmar: media@justiceformyanmar.org