福島原発事故の健康影響:公開討論
2013年 10月24日 ニューヨーク州ニューヨーク市
人権専門家が、福島原発事故によって被ばくした人々の健康への権利
を守るために迅速な行動を呼びかけます。
医師が、国連科学委員会の報告書は福島原発事故の健康影響を
組織的に過小評価していると論じます。
公開討論
10月 24日(木)午前 9時半から正午。バハイ・インターナショナル・コミュニティー:866 UN Plaza, Suite 120, NYC
もしくは、イベントの録画動画が当団体のウェブサイトに紹介される予定
入場無料。国連パスは必要なし。事前登録必要。取材班メンバーのリスト、連絡先および所属先をHRNNY1024@gmail.comまでお送りください。
社会的責任を果たすための医師団とヒューマン・ライツ・ナウ共催イベント
<目的>
福島に関して対立する 2つの報告書が、10月 25日の国連総会に提出される。ひとつは国連人権委員会「健康への権利」特別報告者の報告書、もうひとつは原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)の報告書で、それぞれ、国連総会の第 3委員会と第 4委員会に提出される。特別報告者のグローバー氏がグローバー報告書について、ラカウ医師が PSRと IPPNWの UNSCEAR報告書についての論評を議論する。井上氏が日本の現状における人権についての懸念を議論する。これらの報告書が世界に与える影響に焦点があてられる。
2011年の福島原発事故以来、日本の住民やコミュニティーは危険なレベルの放射線にさらされ続けている。その結果としての汚染地域の住民への健康影響は、深刻な懸念がある。住民は、安全で健康的な環境に住む権利があるが、保護措置や支援が十分に提供されていない。治療および自己の健康状態のデータへアクセスする権利が著しく侵害されている。今回のイベントでは、2つの国連報告書が、原発事故の影響を受けた住民の生活と健康に関する政策にどのように影響するのか、そして住民らの基本的人権を保護するために直ちに何をするべきかについて、専門家が議論する予定である。
なお、発表後に質疑応答の時間を設けている。
<場所>バハイ・インターナショナル・コミュニティー、866 UN Plaza, Suite 120, NYC (48th Street & First Ave.)
<日時>10月 24日(土)午前 9時半から正午まで
<講演者>
アナンド・グローバー氏
アナンド・グローバー氏は、「達成可能な最高水準の心身の健康を享受する権利」に関する国連特別報告者として、国連人権理事会に 2008年 6月の第 80回セッションで任命されている。このポジションは名誉職であり、グローバー氏は、国連職員でもなければ、報酬も受け取っていない。グローバー氏は、また、ボンベイ高等裁判所とインド最高裁判所に所属する弁護士でもある。
2012年 11月 15 −26日に、グローバー氏は、日本への事故調査ミッションに携わり、「達成可能な最高水準の心身の健康を享受する権利」に関する独立調査を行なった。この調査対象には、医療サービス、物資や医療健康施設の使用可能度、利便性、妥当性、およびその質が含まれた。また同時に、東日本大震災やその後の緊急対応・復興対策・被害軽減対策並びにそれらの成功や失敗を鑑みた上で、日本国民の健康状況に影響を与える根底要因について調査を実施した。このミッションでは、日本政府官僚、非政府組織、そして東日本大震災と津波および福島原発事故で被災した住民に対しての事情聴取が行なわれた。グローバー氏の所見と勧告の報告書は、2013年 5月に人権理事会(UNHRC)に提出されており、そして 2013年 10月25日のニューヨークでの国連総会の第 3委員会に提出されることになっている。
ジョン・ラカウ医学博士
ラカウ医師は、開業医、放射線と健康委員会の理事会メンバーおよび委員長、そしてワシントン DCの社会的責任を果たすための医師団の前会長である。また、ラカウ医師は、米国アイオワ州アイオワ・シティー市のアイオワ大学医学部の臨床助教授でもある。
井上まり氏 弁護士であり、東京を本拠とするヒューマン・ライツ・ナウのニューヨーク代表である。
<共催組織>
ヒューマン・ライツ・ナウ: ヒューマン・ライツ・ナウ(HRN)は、国連経済社会理事会決議により、国連特別協議資格を持つ国際人権 NGOであり、東京を本拠とし、弁護士、学者、ジャーナリスト市民などで構成される数百人のメンバーを持つ。2011年 7月に、市民団体等とともに、福島原発事故後の人権状況を調査するように、国連人権高等弁務官事務所に要請した。この要請を受けて、「健康への権利」特別報告者のアナンド・グローバー氏が 2012年 11日に来日した。2012年 12月に、HRNは、70以上の日本および世界中の市民団体に承認された合同声明文を提出し、11月にグローバー氏によって報告された中間的な所見と勧告に基づき、人権をースにした原発事故へのアプローチを取るよう、IAEAと日本政府に要請した。原発事故後の福島での状況の認識を促すために、HRNのニューヨーク事務所は、国際コミュニティーに継続する危機について知らせるために、人権セミナーや記者会見を行なっている。 (http://hrn.or.jp/eng/)
社会的責任を果たすための医師団: 社会的責任を果たすための医師団(PSR)は、国際核戦争防止会議(IPPNW)の米国支部であり、放射性物質やその他の有害物質についての十分な公衆衛生政策が講じられるよう提唱している。PSRは、核兵器使用防止および核兵器廃絶、安全かつ原子力不使用のエネルギーを推進し、地球温暖化および有毒物質による環境破壊の緩和、阻止、および回復のために活動し、医療・公衆衛生の面から発言・発信している。危険なレベルの放射線にさらされ最も危険にさらされている人達を守る事、そして住民の継続的な被ばくによる健康影響を十分でオープンな形で追跡することは、当面、福島の喫緊の課題である。PSRは 1961年に設立され、大気圏核実験による世界的な放射能汚染を止めた部分的核実験禁止条約の達成に貢献した。PSRは、各政府に核兵器開発競争を終えるように市民社会から圧力を与えたとして、1985年にIPPNWと共にノーベル平和賞を授賞した。 (http://www.psr.org/)
詳しくは、こちらの注釈付き論評を参照願いたい。
連絡先:日本語 yurihrnm@gmail.com(米国 PSR)英語 alfred.c.meyer@gmail.com(米国 PSR )、 alexrosen@gmx.net(ドイツ IPPNW )