【共同アピール】
私たちは国連「健康に生きる権利」特別報告者の勧告を歓迎します
日本政府は勧告を受け入れてください。
原発被害者の「生きる権利」を保障してください。
抜本的な政策の見直しを行ってください。
原発事故は終わっていません。多くの原発事故被害者が、故郷を奪われ、放射能被ばくによる健康への不安の中での生活が強いられています。多くの避難者が、避難先での生活の再建ができずに苦しんでいます。
日本政府は「年20mSv」を基準とした避難政策を採用しました。これにより、多くの被害者が、「自主的避難」の名のもとに、賠償のあてもない避難を強いられました。さまざまな事情から避難したくても避難できずに高い汚染地域での生活を強いられている方々もたくさんいます。
現在、年20mSvを下回ると判断された地域は避難解除が進められています。
たとえば伊達市小国地区などの特定避難勧奨地点は昨年12月に、住民に何ら説明がなく、いきなり指定が解除になり、その3か月後には賠償も打切りになりました。このように、避難住民たちは「兵糧ぜめ」により、帰還を迫られている状況なのです。この点は、国連特別報告者の報告の通りです。
また、福島県県民健康管理調査に対しては、調査の対象が狭く、内容も不十分で、情報開示にも問題があることを多くの住民、専門家や弁護士が指摘してきました。これらの点の多くは、国連特別報告者の報告に含まれています。
さらに、昨年6月に制定された原発事故子ども・被災者支援法の基本方針は未だ策定されておらず、実施されていないことは国連特別報告者による報告の通りです。
今回の国連特別報告者アナンド・グローバー氏がまとめた報告書は、原発被害に苦しむ多くの人々と、多くの支援者の声をもとに作成したものです。
私たちはこれを支持し、歓迎します。
私たちは、日本政府がこの報告に真摯に耳を傾け、現在までの避難、賠償、健康対応に係る政策を抜本的に見直すことを求めます。とりわけ、この勧告に従い、追加被ばく線量1mSvを下回るまで、帰還が強制されないこと、賠償を継続すること、少なくとも追加被ばく線量1mSv以上の人々を対象とした健康調査を行うことを求めます。
また、原発事故子ども・被災者支援法の基本方針を速やかに策定すること、追加被ばく量1mSv以上の地域を支援対象に含めること、実施に当たって事故被害者の意見を真摯に聞き、取り入れることを求めます。
さらに、原発事故の収束作業員および除染作業員の長期的な健康管理に関して、被ばく量によらず国が責任をもって取り組むことを求めます。
2013年5月29日
「緊急集会 原発事故後の人権状況」参加者一同
国際環境NGO FoE Japan
ヒューマンライツ・ナウ
ピースボート
地球の子ども新聞
福島老朽原発を考える会
福島の子どもたちを守る法律家ネットワーク(SAFLAN)
原発事故子ども・被災者支援法市民会議
子どもたちを放射能から守る全国ネットワーク
子どものための平和と環境アドボカシー(PEACH)
グリーン・アクション
被ばく労働を考えるネットワーク
全国労働安全衛生センター
「チェルノブイリ被害調査・救援」女性ネットワーク