【イベント】12/19シンポジウム―平和構築と人権「カンボジア特別法廷の挑戦」

*シンポジウムの報告書をまとめました>>http://hrn.or.jp/activity/1460/

 

  クメール・ルージュが支配していた1970年代、カンボジアでは、国民に対する強制移住・強制労働をはじめ拷問、大量殺戮に至る様々な重大人権侵害行為が行われました。今、カンボジアでは、これらの重大人権侵害行為の指導者を処罰するための裁判(カンボジア特別法廷、ECCC)が行われており、クメール・ルージュの幹部数名を身柄拘束する段階に至っています。
なぜ、重大人権侵害行為から30年近く経った今まで裁判が行われなかったのでしょうか。そして、30年近く経った今、裁判を行うことでカンボジアの未来の平和のために何ができるのでしょうか。
カンボジア特別法廷(ECCC)の存在、現状、意義を踏まえ、過去の重大人権侵害行為の処罰と未来に向けた平和構築にいかに取り組むべきか。これまでカンボジアや平和構築に携わってこられた専門家をお招きして議論を深めたいと思います。

●日時/12月19日(金)18:30~20:30(開場18:00)

●基調報告/「カンボジア特別法廷の経過と現状」18:40~
野口 元郎 氏<カンボジア特別裁判所上級審判事>

●シンポジウム/「過去の処罰」と「未来の平和」19:15~
パネリスト 熊岡 路矢 氏<カンボジア市民フォーラム/東京大学客員教授>
野口 元郎 氏<カンボジア特別裁判所上級審判事>
山本 晋平 氏<弁護士/ヒューマンライツ・ナウ>

ディスカッサント 長谷川 祐弘 氏<法政大学教授>
コーディネーター 東澤 靖 氏<弁護士/ヒューマンライツ・ナウ理事>

●司会(開閉会挨拶) 佐藤 安信 氏<東京大学教授>

●会場/東京大学駒場キャンパス7号館3階742教室
(東京都目黒区駒場3-8-1)
●交通/京王井の頭線「駒場東大前駅」下車すぐ

●参加方法/参加無料・事前申込不要(直接会場へお越し下さい。)

主 催/特定非営利活動法人ヒューマンライツ・ナウ/東京大学「人間の安全保障」プログラム
後 援/カンボジア市民フォーラム
主 催:ヒューマンライツ・ナウ/東京大学「人間の安全保障」プログラム
後 援:カンボジア市民フォーラム

 

シンポジウム
平和構築と人権「カンボジア特別法廷の挑戦」

2008年12月19日(金)18:30~ 東京大学駒場キャンパス7号館3階742号室

●会場地図 
正門からみて時計台の左側裏手の建物です。

東京大学ウェブサイト参照>>>http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam02_01_06_j.html

●クメール・ルージュとは?
クメール・ルージュ(ポル・ポト派)とは、1967年頃、カンボジアで、ポル・ポトやキュー・サムファンらが組織した、原始共産主義を標榜した政党です。クメール・ルージュが1975年に全土を制圧した後、カンボジアでは、国民に対する強制移住・強制労働・拷問・大量殺戮等様々な重大人権侵害行為が行われました。これにより、カンボジアでは、100万人以上の人々の命が奪われたと言われています。

●カンボジア特別法廷とは?
カンボジア特別法廷は、クメール・ルージュ政権期の重大人権侵害行為を裁くため、国連の協力を得てカンボジア国内裁判所に設置された特別法廷です。2004年に特別法廷設置法が改正されて以後、2006年7月に訴追手続が開始され、現在は、イエン・サリ等クメール・ルージュの幹部数名を身柄拘束する段階に至っています。日本は、カンボジア特別法廷の国連負担分予算の約半分を拠出する最大のドナー国です。
特定非営利活動法人 ヒューマンライツ・ナウ(HRN)
HRNは、法律家、研究者、ジャーナリスト、NGO関係者などが主体となって世界で確立された人権水準を国内外で実現するために2006年7月に設立された人権NGOです。HRNは、主にアジアで地域での人権分野の国際協力・国際貢献活動、国連など国際社会のおける人権活動、そして国内での国際人権基準の啓発・国際人権基準の実現のための活動を行っています。

東京大学大学院 総合文化研究科「人間の安全保障」プログラム
「人間の安全保障(human security)」をテーマとする新しい大学院教育課程(修士課程・博士後期課程)が、2004年4月に駒場に発足しました。これは、東京大学大学院総合文化研究科の長年にわたる研究・教育の成果をまったく新しい形態で発展させる画期的な研究・教育のプログラムです。

カンボジア市民フォーラム
カンボジア市民フォーラムは、1980年以来カンボジアに関わってきたNGO、法律家、研究者、市民が集まって、1993年に創設したネットワーク型団体です。発足のきっかけは、自衛隊のPKO/UNTACへの参加是非の論議などをふくめ、”自衛隊ではなく、普通の人・市民レベルの協力を”という標語をモットーに、①当時知られていなかったカンボジアの現実を日本社会に知らせること、②カンボジアの復興・開発に関する市民提言を政府、国際社会に向けることでした。その後も、カンボジアの人々・NGOなどと協力して、貧困問題の解決、人権・民主化の問題に取り組んできました。教育、保健・医療、女性とこども、農業・環境、対人地雷廃絶、などの分科会をもち、総選挙モニターを一つの軸に、カンボジアNGO支援を行ってきています。