今年もNY国連本部で、女性の地位委員会(Commission on the Status of Women, CSW) が開催されます。第68回目である今年のプライオリティ・テーマは「貧困問題に取り組み、ジェンダーの視点から制度や資金調圧を強化し、ジェンダー平等および全ての女性・少女のエンパワーメントの達成を加速させよう」(仮訳)です。
ヒューマンライツ・ナウはNGO CSW フォーラムにて、武力紛争下のジェンダーに基づく貧困にテーマを絞り、3月14日の日本時間22時から下記のウェビナーを開催いたします。どなたでも無料で参加できますので、ご関心のある方は是非ご参加ください。
武力紛争下の重大な人権侵害は、世界中の少女・女性の生活と生活環境に深刻な影響を及ぼしています。現在も続く武力紛争により、多くの女性や女児を殺害されるだけでなく、極度の貧困や脆弱な状況に追いやられています。
今回のイベントでは、ミャンマーやウクライナからの難民・国内避難民の女性や、ガザやイエメンで緊急支援プロジェクトを担当するプログラム・コーディネーターの方に登壇頂き、ジェンダーに基づく貧困の状況について話します。こうした女性たちの声を広めることで、正義、紛争解決、ジェンダーに配慮した支援が、武力紛争の影響を受けた少女・女性のエンパワメントにどのように貢献できるかを示すことを目的としています。
【日程】2024年3月14日(木)
【時間】午前9時(ニューヨーク)|午後10時(東京)
【開催形式】Zoomウェビナーによるオンライン開催
【言語】英語
【参加費】無料
【お申し込み】こちらから➡https://forms.gle/hG9CpBSHFdcpw4XG8
【登壇者】※登壇予定順
片岡ソフィヤ氏
1993年に家族で来日して以来、日本を故郷としている。NPO法人日本ウクライナ友好協会(KRAIANY)の理事として、ウクライナの現状をより深く正確に理解するための活動を積極的に行っている。特に、負傷者のリハビリ支援や、救急車などの医療物資をウクライナに送るプロジェクトに力を入れている。
NPO法人KRAIANYは、日本とウクライナの文化の架け橋となる連帯と支援の光。ウクライナの文化、歴史、時事問題に対する日本国内での理解を深めることを使命としている。文化交流にとどまらず、困難な状況にあるウクライナを支援する人道的な活動にも積極的に取り組んでいる。ロシアの侵攻で被害を受けた人々へのリハビリ支援、必要不可欠な医療品や医療機器の送付、ウクライナで子どもたちが安全に教育プログラムを続けられるよう防空壕を建設するなどの取り組みも行っている。
金子由佳氏
公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン国際プログラムコーディネーター。ODA実施機関、NGO、国連大学、日本赤十字社等で22年間勤務。2011年クイーンズランド大学国際政治学修士課程修了。2012年から2017年まで日本のNGO職員としてパレスチナに赴任し、ガザ地区の母子の栄養プロジェクトを統括。2022年にセーブ・ザ・チルドレン・ジャパンに入社し、現在は国際プログラムでガザとイエメンの緊急支援プロジェクトを担当。2019年より立教大学非常勤講師。
Nau Hser Hser氏
ビルマ女性連盟 (Women’s League of Burma) 前事務局長。現在、ビルマ女性連盟の政治イニシアティブ・アドボカシー代表。ビルマ全国統一協議会(National Unity Consultative Council, NUCC)におけるビルマ女性連盟代表の一人でもある。また、母体であるカレン女性組織(Karen Women’s Organization, KWO)のメンバー・アドボカシー・ディレクターも務めているほか、2020-2023年にはアジア太平洋女性法開発会議(APWLD)の地域評議員も務めた。アジア太平洋緊急行動基金(Urgent Action Fund – the Asia Pacific)の諮問委員でもある。
2019年には、カレン民族同盟(KNU)の代表団として、21世紀パンロン和平会議に参加した。会議中、政治部門でNCA-EAOs代表団を率いて、ジェンダー平等と意思決定プロセスの全レベルにおける女性の参加を提唱した。2015年から2017年には、KNUの和平プロセス参加のための技術支援チームも務めた。
2008年にカレン女性組織(Karen Women’s Organization, KWO)に加わって以来、15年以上にわたり、人権、女性の権利、正義、説明責任、不処罰制度の廃止を提唱してきた。また、民族の平等と自決を提唱し、カレン州内だけでなく、国内、地域、国際レベルの政治プロセスにも参加してきた。その献身的な活動が認められ、2018年にファン財団 (phan foundation) からプドー・マーン・シャー・ラー・ファン・カレン・ヤング・リーダー賞を受賞した。
Ningli Hkawn氏
カチン族の著名な活動家で、特にミャンマーの市民団体で15年以上にわたり人権と女性の権利に携わってきた。カチン女性協会-タイ( Kachin Women’s Association Thailand, KWAT)のアドボカシー・チームのメンバーとして、少数民族や宗教的少数派の権利と福祉の向上に尽力してきた。専門知識は、マデリン・K・オルブライト民主化基金(2008~2009年)の支援を受けたビルマ女性連盟による政治教育プログラムを通じて磨かれた。
2021年、オープン・ソサエティー・ミャンマー財団 (Open Society Myanmar Foundation) の人権担当プログラム・オフィサーとして軍事クーデター指導者に狙われ、安全のため米国に逃亡。KWATのプログラム・コーディネーター、連邦憲法起草委員会の秘書、カチン女性平和ネットワークのネットワーク・コーディネーター、国際共和国研究所やUN Womenミャンマーを含むさまざまな機関で重要な役割を担い、ジェンダー、女性の平和、安全保障を含むさまざまな社会政治分野の研究に大きく貢献した。
オーストラリア国立大学で国際関係学修士号を取得し、ミャンマー国内外における民主化と平和の促進に尽力したことが評価され、オーストラリア・アワード奨学金も授与されている。
伊藤和子HRN副理事長
1994年弁護士登録、以後、女性、子どもの権利、えん罪事件、環境訴訟など、国内外の人権問題に関わって活動。
2004年に日弁連の推薦で、ニューヨーク大学ロースクールに客員研究員として留学。ニューヨーク大学ロースクールのハウザー研究員として国際人権法を研究し、刑事司法制度の比較研究を行った。2005年、ニューヨークの憲法権利センターなど複数の人権団体に勤務。
帰国後の2006年、国境を越えて世界の人権問題に対処する日本発の国際人権NGO・ヒューマンライツ・ナウ(Human Rights Now)の発足に関わり、以後事務局長として国内外の深刻な人権問題の解決を求め、日々活動。2021年より副理事長。日弁連両性の平等に関する委員会委員長、東京弁護士会両性の平等に関する委員会委員長を歴任。『人権は国境を越えて』(岩波ジュニア新書)(2013)を含め、人権問題に関する日本語の著書多数。