【イベント報告】緊急院内集会「4月1日からの高校生AV出演解禁を止めてください 18~19歳の取消権 維持存続立法化のお願い」

 

去る2022年3月23日、ヒューマンライツ・ナウは、NPO法人ぱっぷすと共同主催の緊急院内集会「4月1日からの高校生AV出演解禁を止めてください 18~19歳の取消権 維持存続立法化のお願い」を開催しました。会場となった衆議院第⼆議員会館第5会議室は、大勢の与党議員やメディア関係者や市民団体関係者などで満員となりました。また、当日・翌日には、たくさんのメディア機関やジャーナリストに報道して頂きました。(メディア掲載情報はこちら

モデルやタレントにならないか、といった甘い誘惑で若い女性たちがスカウトされ、契約を交わした後に、脅しや洗脳によって意に反するAV出演を強要させられるという被害は、これまでも深刻な人権侵害として注目されてきました。しかし、2022年の4月1日から成人年齢が20歳から18歳に引き下げられることで、若いAV出演強要被害者を救う唯一の法的手段であった「未成年者取消権」が使えなくなることになりました。高校生を含む18歳と19歳がアダルトビデオ(AV)の出演契約を結んでも、4月1日以降は成人として扱われ、親の同意のない契約を取り消せなくなってしまうためです。若年層の被害がますます深刻化する事態を防ぐためには、契約後でも取り消しができる被害救済制度の立法化を求めることが必要でした。

そこで緊急で開催した今回の集会では、ぱっぷす理事長の金尻カズナさん、当事者でアクティビストのくるみんアロマさん、ヒューマンライツ・ナウの伊藤和子副理事長がスピーカーとして登壇しました。支援団体や人権団体や弁護士といった立場から、それぞれの体験や経験を基に被害実態が報告されたほか、若い女性が断りにくい環境であることや、被害防止に必要な具体策などが、当事者の観点からも共有されました。

登壇者が与野党による包括的な法律を求める中、出席した議員の中からも、人生経験の少ない若い女性たちが言葉巧みな大人のスカウトのプロに騙され、性的暴力や搾取から逃れられない状態で苦しみ続ける現状に対して、強い懸念を示す声が上がりました。