特定非営利活動法人ヒューマンライツ・ナウ編・訳による書籍
『女性に対する暴力に関する立法ハンドブック』(国連経済社会局
女性の地位向上部著、信山社、2000円(税別))が出版されました。
2008年、国連事務総長は、女性に対する暴力廃絶のためのキャンペーン
「団結しよう、女性に対する暴力を終わらせるために(Uniteto End VAW)」
を開始しました。
キャンペーンの主な目標のひとつとして、「2015 年までに、すべての国連加盟国が、
国際人権基準に沿って、女性に対する暴力を処罰するための国内法を整備する」が
挙げられました。
この目標の達成にむけて、『国連女性の地位向上部(現UN WOMEN)』が作成したのが、
『女性に対する暴力に関する立法ハンドブック』です。
このハンドブックでは、国際的・地域的な法と政策に関する枠組みをはじめ、
女性に対する暴力に関する立法のモデル枠組みが、各国の先駆的な例を用いながら、
14項目にわたって紹介されています。
モデル枠組みで扱われている内容は、これまで、女性に対する暴力の
被害者の支援に携わってきた女性たちの声が反映されたものとなっており、
いかに女性たちの運動が、国際機関の見解に影響をあたえ、各国の国内法の
改正を導く力となっていったのか、その軌跡を感じ取ることができます。
この『女性に対する暴力に関する立法ハンドブック』をぜひ多くの方に手にしていただき、
国内外での人権の前進の力強い一歩となれば幸いです。
——————————————————————–
『女性に対する暴力に関する立法ハンドブック』
——————————————————————–
著:国連 経済社会局 女性の地位向上部
編訳:特定非営利活動法人ヒューマンライツ・ナウ
雪田樹理(弁護士)
清末愛砂(島根大学男女共同参画室専任講師)
福嶋由里子(財団法人世界人権問題研究センター専任研究員)
出版社:信山社
発行日:2011年9月5日
定価:2000円(+消費税100円)
☆ウェブサイトから購入できます☆
http://imagene.jp/npo/hrn/goods.html
【目 次】
「女性に対する暴力に関するハンドブック」について・・・林 陽子
1 はじめに
2 国際的、および地域的な法と政策に関する枠組
1 国際的な方と政策に関する文書、および先例
2 地域的な方と政策に関する文書、および先例
3 モデルとなる法と戦略
3 女性に対する暴力に関する立法のモデル枠組
1 人権に基づく包括的アプローチ
2 履 行
3 監視と評価
4 定 義
5 防 止
6 被害者への保護、支援、援助
7 移民女性の権利
8 捜 査
9 法的手続きおよび証拠
10 保護命令
11 判 決
12 民事訴訟
13 家族法
14 難民法
4 女性に対する暴力に関する法案を起草する際に取られるべきチェックリスト
段階1:法の目的を明記する
段階2:関係者への意見聴取を行う
段階3:法案を起草する際、証拠の基づく取組を行う
日本の立法に求められていること・・・雪田 樹理
あとがき・・・伊藤 和子
—————————