【要請】法務大臣、外務政務官に要請(日本の新政権誕生にあたり、 国内外の人権政策の推進のために要望すること/ガザ問題に関する緊急の要請)

ヒューマンライツ・ナウ(Human Rights Now =HRN)では、新政権発足とともに、

新政権の人権政策に 対する働きかけを行ってきました。

 

HRNでは政権発足前に、

【提言】日本の新政権誕生にあたり、 国内外の人権政策の推進のために要望すること

(リンク先をご参照ください)を発表、人権政策の転換を訴えてきました。

 

新政権発足後は、まず、930日、HRNとして、西村智奈美外務政務官と一時間にわたり

懇談、 前述の政策提言を提出、また、国連人権理事会で議論が行われていたガザ問題に

関する緊急の要請

【声明】国連ガザ独立調査団の報告書を歓迎国際社会に対し、勧告を実施し、正義の

実現に動くよう要請する。  (リンク先をご参照ください) を行いました。

 

西村政務官からは、アジア人権機構やスリランカODAなどに関する質問のほか、自らが

関わった人身売買禁止立法についての経験が披露され、「外交における人権というのは

これから議論してつくりあげていく課題」であるとして、今回の提案も参考にしながら

議論を続けていきたいと話されました。 特に、人身売買、アジア地域に国際刑事裁判所の

批准を求めていく活動については意欲的な発言をいただきました。

 

今回は新政権のもとでの外務省と初めての意見交換となりましたが、今後、さらに新政権

の外交・援助方針における人権の主流化について対話を重ねていく予定です。

 

また、109日には、HRNも所属する「国際人権NGOネットワーク」として千葉景子

法務大臣を表敬訪問、ヒューマンライツ・ナウ、アムネスティ・インターナショナル日本、

市民外交センター、自由人権協会の代表が千葉法務大臣となごやかに懇談しました。

HRNからは、法務大臣が就任以来表明してきた、取調べの全面可視化、政府から独立

した人権擁護機関の設置、人権条約の条約機関への個人通報制度の実現、選択的夫婦

別姓を含む女性差別等を解消する民法改正、死刑制度について国民的議論をすること

について支持をし、その実現について技術的な面などでNGOとして貢献・協力していき

たい旨表明し、改革の推進にあたってNGOの情報と提言を聞き、ぜひ活用してほしい、

と述べました。

この間人権条約機関や、国連人権理事会から日本が様々な勧告を受けているにも関わらず、

長きにわたって実現していない問題が多く、こうした国際人権スタンダードと日本の人権

状況のギャップをうめるためのフォローアップが必要であること、そのフォローアップの

過程でもNGOとの対話が重要であることを強調しました。

HRNからは、

【意見書】2008年の国連人権理事会による日本の人権状況審査を受けての政府への要請書

(リンク先をご参照ください)を改めて提出、さらに、

【レポート】日本の人権状況について国連などから受けている勧告の一覧表 

(リンク先をご参照ください)を提出しました。

 

また、国際人権NGOネットワークからは、これまで外務省人権人道課との間などで、

コンサルテーションを実施してきたが、法務省がNGOとの対話に消極的で実現して

こなかったこと、今後は千葉大臣の就任を機会に、外務省とならんで法務省もNGOとの

定期的な対話・協議の機会をつくってほしい、との要請がなされました。

 

千葉大臣からは、それぞれの課題について積極的に取り組んでいく旨の積極的な発言と共に、

NGOとの協議をこれからも進めていくとの姿勢を示していただき、NGOに対する励ましの

言葉もいただきました。

 

HRNは、国内の人権状況につき、国際人権基準とのギャップを埋めるために政策提言

などの活動を推進することにしており、今後も、法務省に対しても様々な働きかけと

対話を進め、国際人権のスタンダードや各国のグッドプラクティスなどの情報提供を行い、

日本の人権状況の改善に貢献していく予定です。

 

千葉大臣が表明した人権課題の実現の道筋はまだ明らかにされていませんが、市民社会が

声をあげ、発信していくことが、人権課題の実現を後押しすることになることは間違いあり

ません。

みなさんのこの分野でのご協力もぜひよろしくお願いいたします。

以上、ご報告とさせていただます。

 

                   ヒューマンライツ・ナウ事務局長 伊藤和子