2023年7月13日に性犯罪の規定を見直す改正刑法が施行されてから1年が経ちました。罪名が「不同意性交等罪」となり、「同意しない意思」が構成要件の中心となったことや、いわゆる「性交同意年齢」が16 歳未満に引き上げられたことなど、大きな進歩がありました。また、これまで多くの被害者が陥れられ、かつ司法救済を閉ざされてきた加害のパターン8類型が、不同意性交等罪の事由として掲げられ、性被害の実態に即した法律に一歩近づきました。
不同意性交等罪の「困難」という要件が裁判官の解釈に委ねられている点や、13歳以上16歳未満の者の性交同意年齢については、犯罪成立に5歳差の年齢差要件が設けられている点、時効の短さ、地位関係性を利用する性犯罪類型の新設が見送られたことなど、課題は残るものの、被害当事者の方々や市民社会の地道なフラワーデモや改正運動などが政治を動かして勝ち取った大きな前進といえます。
一方、法律が変わった今、性的同意が当たり前のこととされ尊重される社会へとシフトされているのでしょうか?「不同意性交等罪」の内容や性的同意に関する認識は、世間一般的にどれだけ浸透しているのでしょう?
今回のウェビナーでは、性的同意に関する教育・啓発のための取り組みや制度に焦点を当て、教育現場や自治体の様々な取り組みや課題についてご紹介いたします。また、被害者に寄り添った刑法の実現に向けて活動されている方々によるリレートークも予定しています。大勢の方のご参加をお待ちしております。
【日時】2024年7月17日(水)19時~21時
【開催方法】Zoomによるオンライン開催
【参加費】無料
【申込方法】こちらからお申込み頂けます https://peatix.com/event/4042707
【申込締切】2024年7月17日 18時
【プログラム】※予定
1.開会の挨拶(HRN副理事長 後藤弘子)
2. イギリスの大学の性的同意に関するトレーニング・モジュールの紹介(HRN女性の権利プロジェクトインターン 影澤桃子)
3.日本の大学における性的同意に関する教育(上智大学法学部教授 三浦まり氏、東京大学総合文化研究科博士2年ミーシャ・ケード氏)
4.福岡県性暴力根絶条例に基づく教育活動の紹介(弁護士 世良洋子氏)
5.リレートーク(ゲスト複数名)進行:雪田樹理(HRN関西事務局長&プロジェクトリーダー/弁護士)
6.閉会の挨拶(HRN副理事長/弁護士 伊藤和子)
司会:中山純子(HRN女性の権利プロジェクトメンバー/弁護士)
三浦まり氏 世良洋子氏 ミーシャ・ケード氏
HRNメンバー
後藤弘子 伊藤和子 雪田樹理 中山純子 影澤桃子
【問い合わせ先】maromi.martinez@hrn.or.jp