【活動報告】東京2020オリンピック建設現場の労働環境についての記者会見

2019年10月3日(木)、国際建設林業労働組合連盟 (The Building and Wood Workers International) とヒューマンライツ・ナウ (HRN) が行った労働者調査によって判明した東京2020オリンピック建設現場の労働環境問題について共同発表を行いました。

【プレスリリース】東京2020オリンピックのための建設現場の 労働環境の現状について 記者会見のお知らせ

 

BWIのAmbet Yuson書記長は、オリンピック作業員の労働環境の対策が進んでいないとして3日、都内で大会組織委員会などの代表者と面会し、作業員のヒアリングや合同査察を改めて求めたことを発表しました。東京2020オリンピック建設に関わった作業員4人が死亡していると労働環境の問題の深刻さを訴えました。その他にも長時間労働、安全器具を自費で購入、何重もの下儲け構造によって、作業員の賃金が押し下げられているなど、BWIの報告書でも記載されていた事実を述べました。さらに、労働組合がJSCに作業員の苦情を代表して申し立てても、当事者でないため却下されたことなど、海外からの労働者は失業や懲戒を恐れて、労働苦情を言えないことから、「文句を言えない制度」だと指摘しました。BWI はこれらの状況から、第三者による作業員の苦情を代表して作業員がJSCへの申し立てを容易に行いやすくすることを一つの解決案として挙げました。オリンピックが数ヶ月後と迫っている中、建設完成に向けて労働者に対し急ぎのプレッシャーをかけ、危険で過酷な労働環境で働かされていると明らかにしました。オリンピックの開催日が近づいていることから、一刻も早く作業員の安全を確保し、労働環境を改善するための措置が重要だと訴え、大会組織委員会との共同の立ち入り調査を求めました。

 

 

HRNのアドボカシーオフィサーCade Mosleyは、共同発表でBWIの主張を支持しました。HRNは、9月12日に東京2020オリンピックの建設場での労働者環境について報告書を発表し、建設現場を訪れ暑さと安全性対策に注目して調査を行いました。現場を訪れた際、労働者はインタビューへのためらい、さらには苦情申し立て制度の存在そのものを知らなかったことなどが見受けられました。この調査は、労働者への圧力と「恐れの文化」の存在についてBWIの報告書でも一貫していました。オリンピックのような国際的イベントは、国際基準に従い、UN Guiding Principles on Business and Human Rights(国連のビジネスと人権に関する指導原則)を守らなければいけないと強く主張しました。HRNは、東京オリンピックを応援しており、東京オリンピック・パラリンピック競技退会組織委員会(TOCOG) 、東京都庁(TMG)、日本スポーツ振興センター(JSC)が協力し、高い目標を達成するための対策を求めています。