【報告書】タイ鶏肉産業における強制労働:日本企業のサプライチェーン上における労働者の権利侵害

ヒューマンライツ・ナウは、2018年9月5日タイ鶏肉産業における強制労働:
日本企業のサプライチェーン上における労働者の権利侵害として、報告書を発表しました。

報告書全文はこちら報告書本文報告書付属書類タイ報告書概要

日本に輸入される食品のグローバルサプライチェーンは、海外での労働者の犠牲や強
制労働と直接的にリンクしている可能性があります。

東京を本拠とする国際人権 NGO ヒューマンライツ・ナウは、タイにおけるミャンマ
ー移民労働者の深刻な訴えを受けて、移民労働者がタイ国内の鶏肉産業で従事する強制
労働に関する実態調査を実施しました。

調査はタイの鶏肉産業大手であり、日本有数の食品企業と提携して鶏肉を日本に輸出
しているタイのベタグロ社のサプライチェーンに関するものである。ベタグロ社に対し、
鶏肉を供給している取引先である Thammakaset 農場の鶏肉飼育はミャンマー移民労働
者の労働によって成り立っていました。HRN は、Thammakaset 農場で働くミャンマー移民
14名からインタビューを実施するとともに、過酷な労働環境に対して異議申し立てを
行った 14 名の労働者が経営者側から不当な訴追を受ける経緯を追跡調査してきました。

その結果、Thammakaset 工場では強制労働等の劣悪な労働環境が続いてきたことが明
らかになり、声をあげた労働者が逆に会社から不当訴追を受けているのが現状です。
この工場に限らず、タイの鶏肉産業に移民労働者の労働権の深刻な侵害があることは、
タイおよび欧米でしばしば話題となり、国連も注意を喚起しています。

HRN の調査の結果、こうした強制労働等の結果として生産された鶏肉が、大手商社、
主要な食品会社を通じて日本に輸入され、食卓に上っていた事実が明らかになりました。