【賛同】タイの人権活動家に対する報復行為の即時停止を求める国際キャンペーンに参加しました。

国際人権NGOヒューマンライツ・ナウは2016年6月24日、タイの人権活動家に対する政府の報復行為の停止を求める国際キャンペーンに賛同し、以下のレターをタイのプラユット首相をはじめ、関係当局に送付しました。

レターの和訳はこちら 20160624 国際レターキャンペーン和訳 【PDF】

 


 

タイ王国陸軍に人権活動家に対する法的措置の取り下げを求める

 

私たちは、タイで3名の人権活動家に対する告訴が行われたことを知り、深く憂慮しています。

 

タイ南部における拷問の事例を文書化することによりタイ王国陸軍の名誉に損害を与えたこと、及び「2014年から2015年に記録されたタイ深南部における拷問及び虐待事例」と題する文書を発行したことを理由として、ソムチャイ・ホムラード氏、ポーンペン・コンカチョンキエット氏及びアンカナ・ヒーミナ氏に対する刑法上の名誉毀損及びコンピュータ関連犯罪の告訴が行われました。

 

3名の人権活動家に対するこの告訴は、どれも人権活動家に対する嫌がらせの明らかな実例です。

 

54例の拷問及び拘束下における非人道的取扱いの記録を含む報告書は、2016年2月10日に発行されました。異文化財団(Cross Cultural Foundation)、デュアイジェイ・グループ(Duay Jai Group)及びパタニ人権ネットワーク(Patani Human Rights Network)の3つの人権団体が共同で実施した調査及び報告は、拷問の犠牲者のための国連基金の一部資金援助を受けたものです。

 

2016年5月17日、タイ王国陸軍を代理しているといわれるタイ王国国内治安維持部隊第4管区 (ISOC 4)は、タイ刑法第328条に基づく名誉毀損及び、2007年コンピュータ犯罪法第14条第1号に違反したことを主張して、(タイの最深部3県のうち)パッターニー県の警察署に告訴を行いました。告訴の参照番号は、警察ケースファイル番号704/2559です。

 

私たちは、タイ王国陸軍が3名の人権活動家を告訴した行為は、拷問の被害者の声を沈黙させる意図があると考えます。そのような行為は、犠牲者が加害者に対し告訴を行うことをより難しくするものであり、そのため迅速な捜査及び拷問の疑惑に対する訴追のための体制を構築する義務に直接違反するものです。

従って、

私たちはタイ王国陸軍に対して以下の要請を行います。

  1. ポーンペン・コンカチョンキエット氏、アンカナ・ヒーミナ氏及びソムチャイ・ホムラード氏に対する法的措置を即時かつ無条件に取り下げること。かかる法的措置は人権活動家の合法的な活動及び公益に反するものです。
  2. 人権活動家、拷問犠牲者、及び、その同僚や家族に対する更なる報復が行われないことを保障すること。

 

タイ政府に対し以下の要請を行います。

  1. 人権擁護者に関する国連宣言で謳われているように、人権侵害及び人々に対する不正義に関する情報を発信するというすべての人及び組織に普遍的に認められた権利及び義務を尊重すること。
  2. 拷問及びその他の人権侵害によって影響を受けるすべての人が、何よりもまず、何時でも尊重されなければならない申立ての権利を含む、司法上の救済を受けることを保障すること。
  3. 最近の人権活動家に関する普遍的・定期的レビューにおいて受け入れられた勧告の実施を確保すること。