経済的・社会的権利

世界では、虐殺などの直接的な人権侵害によって命を落とす人たちの何倍もの人々が貧困や避けられる病気、生活基盤の剥奪、過酷な労働搾取によって命を奪われています。
貧困や搾取からの脱却は極めて大切な人権です。
世界人権宣言、そして日本を含む多くの国が批准している国連社会権規約には、健康に対する権利、教育に対する権利、水と食料に対する権利、住居に関する権利、労働に関する権利など、人間が尊厳を持って生活をしていくことのできる権利の保障など(経済的社会的権利)が基本的人権として明確に掲げられています。
ヒューマンライツ・ナウは、こうした、経済的社会的権利の実現を求めて活動しています。

土地や森林に対する権利

アジアなど途上国では、大規模開発の影響で、先祖代々の土地や森林に対する権利がはく奪される事態が深刻化しています。
違法な森林伐採のために、太古からの森とともに生きる権利を奪われてしまった先住民の人々。「開発」の名のもとに、政府から土地を借りた企業関係者が、住民の長年住み続けた土地から強制的に追い出そうとする事例などが、カンボジア、ミャンマー、マレーシア等では相次いでいます。

また、日本でも沖縄では新基地建設により、周辺住民の土地と環境に対する権利が破壊されようとしています。
ヒューマンライツ・ナウはこうした人権侵害に着目し、事実調査、政策提言等で住民の権利を守ろうとしています。

持続可能な開発目標

2015年、国連は新たな開発目標「持続可能な開発目標」を制定しました。「誰も取り残さない」との理念のもと、貧困の解消、貧富の格差の解消等を通じて、持続可能な社会の形成を目指しています。ヒューマンライツ・ナウはこの目標の実施に当たり、人権・弱者の権利保護が徹底するよう求めています。

東日本大震災・原発事故

ヒューマンライツ・ナウは、東日本大震災・福島第一原発事故後の被災者の方々の状況について、人権の視点から改善を求めて活動する唯一の国際人権NGOです。特に女性や子ども、高齢者、障害者など被災弱者の観点から充分な施策を求めて活動しています。

  • 法律相談  ヒューマンライツ・ナウは震災直後から、被災地の法律相談を続け、現在も岩手県大船渡、宮城県気仙沼で地元の方々と連携し、被災地法律相談を続けています。
  • 事実の調査  震災直後から避難所での生活環境を調査、その後仮設住宅の実情についても調査し、調査報告書を公表して改善を求めてきました。
  • 働きかけ
    福島第一原発事故の影響で、汚染が深刻な地域に住む人々、特に、子どもや妊婦など放射能の健康影響を受けやすい人々の「健康に対する権利」は深刻な状況にあります。またや避難者に対する政府の支援も不十分です。ヒューマンライツ・ナウは国連に福島の実情を情報提供して国連の事実調査を求め、国連「健康に対する権利」特別報告者アナンド・グローバー氏の事実調査が実現。同氏は国連に提出した報告書に、原発事故後の人々の健康に対する権利を守るために政府に具体的で包括的な施策の改善を求める勧告(グローバー勧告)を盛り込みました。原発事故から5年以上経過した今、被災者を切り捨てる動きはさらに深刻です。ヒューマンライツ・ナウはグローバー勧告に依拠した被災者保護を求め、様々な団体と連携した活動を進めています。

・東日本大震災のページ:http://hrn.or.jp/activity/1651/
・グローバー勧告のページ:http://hrn.or.jp/activities/fukushima/
・福島原発事故のページ:http://hrn.or.jp/activity/category/fukushima/

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