【報告書】BLACK BOX:私たちの食卓の刺身マグロはどこから来たのか? 韓国漁船から日本市場までの不透明なマグロサプライチェーンに潜む人権リスク

東京を本拠とする国際人権NGOヒューマンライツ・ナウ(以下、「HRN」という)は、韓国を拠点とするNGOであるAPIL(Advocates for Public Interest Law)と共に、韓国の遠洋漁船から日本市場までの不透明なマグロサプライチェーンに潜む人権リスクについての調査を実施しました。

世界第4位の規模を誇る韓国の遠洋漁船は、キハダ、メバチ、クロマグロなどを主に「刺身マグロ」として市場に供給しており、日本は韓国の延縄漁船が漁獲するマグロの最大の輸入国となっています。しかし、韓国の延縄漁船により漁獲されたマグロが日本市場に届くまでのサプライチェーンは非常に複雑で、透明性に欠けています。

マグロ延縄漁船は、他の遠洋漁船に比べて長期間休みなく航海するため、強制労働や人身取引の人権リスクが高くなっています。特に労働者のほとんどを占める移民労働者は12時間を超える長時間労働や、韓国人漁業者10分の1の低賃金労働をさせられたり、賃金の未払いや、違法な天引きといった被害を受けることが多く、暴言や身体的虐待も受けやすい状況に置かれています。

日本でマグロの輸入や流通を担う大手企業の人権デュー・ディリジェンス方針や実施状況の分析の結果、日本でのマグロ流通に関わる企業のうち、サプライチェーンを公表している企業は皆無で、漁業に特化した人権デュー・ディリジェンス方針やマグロ関連の調達ガイドラインを定めている企業はあっても、そうした方針が実際にどのように実施されているかについての情報は公開されていませんでした。現在の日本企業の人権デュー・ディリジェンス方針やその実施体制は、高リスクであるサプライチェーン上の遠洋漁船における人身取引や強制労働の人権リスクを特定し、対処するには不十分であるということです。

国家、国際機関、企業は、このような国境を越えたサプライチェーン上の透明性を高め、人権侵害や違法漁業を無くすためにそれぞれの役割を果たす必要があります。

【記者会見の様子—2023年12月20日午後、厚生労働省会見室にて撮影(左から、APIL Evan Chanyeong Moon氏、通訳者、APIL Shin Young Chung氏、HRN 小川 隆太郎氏、HRN 川崎 可奈氏)】

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