2022年2月24日のロシア政府による全面的なウクライナ軍事侵略から今日で1年が経過する。
国際人権NGOヒューマンライツ・ナウは、2023年2月24日本日、記者会見「ロシアによるウクライナ軍事侵略開始から1年、改めて軍事侵略に強く抗議し、ロシアに対して国際法の遵守、及び平和と人権被害の回復を求めると共に、国際社会・日本政府・企業に対しても責任ある行動を求める」を特定非営利活動法人日本ウクライナ友好協会KRAIANYとともに、開催しました。
(記者会見するヒューマンライツ・ナウと日本ウクライナ友好協会KRAIANYの関係者ー2023年2月24日午後、議員会館内撮影)
ヒューマンライツ・ナウからは、事務局長の小川隆太郎弁護士が登壇し、ロシアの軍事行動及びこれに伴う民間人・民間施設への攻撃、民間人の虐殺、レイプ等の性的暴力、強制移送等は、すべてジュネーブ諸条約をはじめとする国際人道法に対する重大な違反であり、その多くが戦争犯罪に該当するうえ、広範かつ系統的にウクライナの住民を攻撃するものであることから人道に対する罪、ジェノサイドに該当する行為であることが疑われると、今なお続く、ロシアによる違法な侵略行為と戦闘行為による極めて深刻な人権侵害を改めて強く非難しました。また、日本については、特にビジネスと人権の点から、多くの企業が「強化された人権デュー・ディリジェンス(Hightened Human Rights Due Dilligence)」に関する実施状況を開示していない現状を指摘し、私たち日本市民が企業を通してロシアによる侵略戦争に加担してしまっている構造と現状について言及し、改めて企業に対して「強化された人権デュー・ディリジェンス」を実施するよう求めました。さらに、法的拘束力のないガイドラインには限界があり、迅速な人権デュー・ディリジェンスの義務化立法が不可欠だと主張しました。
一方、NPO法人 日本ウクライナ友好協会 KRAIANY(クラヤヌィ)からは、理事長のKOVALOVA NATALIIA(コヴァリョヴァ ナタリヤ)氏と理事のIEVTUSHUK IGOR(イェブトゥシュク イーゴル)氏にご登壇いただきました。イェブトゥシュク イーゴル氏は、この軍事侵略によるウクライナ人それぞれの人生への多大なる影響と残酷な現状について報告し、一刻も早く戦争を終わらせるために、全世界からの対応が不可欠であると強く訴えかけられました。特に企業のロシア市場からの撤退やビジネスの停止だけではなく、サプライチェーンの下流にも注意を払い、ロシア市民に訴えるため、また税金等による戦争加担をしないためにも、ロシアに対して強い姿勢を見せるべきだと主張されました。加えて、コヴァリョヴァ ナタリヤ氏は、日本の中古の救急車をウクライナへ届けるプロジェクトに関して紹介し、その背景には、ロシアによる特に救急車を狙った車両への攻撃があることを指摘、日本の中古車がロシアへ流れている現状にも言及し、経済的プレッシャーを与えることの必要性を改めて訴えかけられました。
会見には、櫻井周議員にもかけつけていただき、全面侵攻から1年も経ってしまった現状に、ロシアによるクリミア併合の黙認とも解釈できる日本政府の過去の姿勢にも反省するべきところがあるとして毅然とした態度を取ることが不可欠であると述べられました。
■記者会見のアーカイブは以下のリンクからYoutubeでご覧になれます。
https://youtu.be/idIohxz3NYw
■記者会見の資料は以下からご覧になれます。
認定NPO法人ヒューマンライツ・ナウ声明文
「ロシアによるウクライナ軍事侵略開始から1年、改めて軍事侵略に強く抗議し、ロシアに対して国際法の遵守、及び平和と人権被害の回復を求めると共に、国際社会・日本政府・企業に対しても責任ある行動を求める」
https://hrn.or.jp/wpHN/wp-content/uploads/2023/02/ff3caa63123149093beee253471b5790.pdf
特定非営利活動法人日本ウクライナ友好協会KRAIANY 活動紹介文
「NPO法人「KRAIANY」(クラヤヌィ)とは」
https://hrn.or.jp/wpHN/wp-content/uploads/2023/02/NPO-Kraiany-Brochure-Japanese.pdf