【共同提言】「被害実態に即した刑法性犯罪の再改正を求める要望書」を提出しました。(刑法改正市民プロジェクト)

ヒューマンライツ・ナウが所属する性犯罪に関する刑法改正市民プロジェクトは、2021年9月14日、「被害実態に即した刑法性犯罪の再改正を求める要望書」を内閣総理大臣・法務大臣に提出しました。

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被害実態に即した刑法性犯罪の再改正を求める要望書

刑法改正市民プロジェクト

 

私たちは、被害実態に即した刑法性犯罪の再改正を求めて活動している団体です。

2020年3月に設置された「性犯罪に関する刑事法検討会」では、性暴力被害当事者も委員に加わり、改正に向けた踏み込んだ議論を期待しておりました。しかし、2021年5月21日に出された「取りまとめ報告書」では、ほとんどの論点において両論併記の形になっており、被害実態に即した刑法性犯罪の再改正が実現されないのではないかという危惧を抱いております。

つきましては、法制審議会への諮問において、被害者の尊厳が回復できる社会を実現するために、以下を要望いたします。

 

1 不同意性交等罪の創設

不同意性交が犯罪として処罰されるようにしてください。

少なくとも、暴行・脅迫に加えて行為者が用いる手段、心身喪失・抗拒不能に加えて被害者の状態を列挙し、さらに「その他意に反する性的行為」の受け皿要件も加え、行為規範として明確にしてください。

※列挙される行為者が用いる手段の例:威力、威迫、不意打ち、欺もう・偽計、驚愕、監禁

被害者の状態:人の無意識、睡眠、催眠、酩酊、薬物の影響、疾患、障害、洗脳、畏怖、恐怖、驚愕、困惑など

2 同意が無効になる年齢の引き上げ

16歳未満に引き上げてください。

3 地位関係性に関する規定の創設

「優越的な地位を利用した」犯罪類型を創設し、成年、未成年を問わず、上司、教師介護者、医療者、親族など地位関係性を濫用した行為を処罰する規定を作ってください。

4 公訴時効の見直し

公訴時効を撤廃してください。

少なくとも被害者が未成年である場合、公訴時効の起算点を30歳に遅らせ、公訴時効を20年に延長してください。

5 法制審議会の委員に被害当事者、被害者支援団体の代表者、被害者臨床、加害者治療教育の専門家、性暴力の実態を理解する刑法学者などの各分野の専門家を半数以上入れてください。

 

以上

【刑法改正市民プロジェクト】

刑法性犯罪関連の情報共有・被害実態を踏まえて活動する市民団体の集まりです。

[プロジェクト所属団体]一般社団法人Colabo/NPO法人しあわせなみだ/NPO法人人身取引被害者サポートセンターライトハウス/NPO法人スクール・セクシュアル・ハラスメント防止関東ネットワーク/一般社団法人Spring/NPO法人性暴力救援センター・大阪SACHICO/NPO法人性暴力救援センター・東京(SARC東京)/性暴力禁止法をつくろうネットワーク/NPO法人全国女性シェルターネット/NPO法人千葉性暴力被害支援センターちさと/NPO法人PAPS/認定NPO法人ヒューマンライツ・ナウ/NPO法人BONDプロジェクト(団体名五十音順)

【お問い合わせ】一般社団法人Spring lobbying@spring-voice.org