【記者会見報告】「性的同意に関する意識調査」結果報告およびユース制作の性的同意ハンドブック「性的同意ってなんだろう?」紹介

「性的同意に関する意識調査」結果報告およびユース制作ハンドブック『性的同意ってなんだろう?』を紹介する記者会見を開催しました

2026年7月24日、国際人権NGOヒューマンライツ・ナウは、18歳から39歳を対象とした「性的同意に関する意識調査」の結果公表と、女性の権利プロジェクト・ユースチームが制作した性的同意ハンドブック『性的同意ってなんだろう?』の紹介を目的として、記者会見を開催しました。

記者会見では、調査結果の報告と考察を行うとともに、調査から見えてきた課題について報告しました。また、ハンドブックの制作に携わったユースメンバーが、制作の背景や冊子の内容、活用方法について紹介しました。

 

「性的同意は必要」という認識と、具体的な場面での判断とのギャップが明らかに

記者会見では、2026年6月に全国の18歳から39歳までの3,000人を対象に実施した「性的同意に関する意識調査」の結果を報告しました。

調査では、「性的な行為をする際、相手の同意は常に必要」と回答した人が81.17%に上り、性的同意の重要性は広く認識されていることが分かりました。一方で、ホテルへの入室、長期間の交際や婚姻関係、過去に性的関係があること、明確な拒否がないこと、沈黙や無抵抗などの場面では、「常に同意が必要」と考える人が減少し、具体的な場面では同意確認が省略されやすい傾向が明らかになりました。

また、「嫌ならはっきり断ればよい」と考える人が一定数いるなど、恐怖や力関係、飲酒などによって「No」と言えない状況への理解や、2023年の刑法改正・不同意性交等罪に関する認知にも課題が見られました。

これらの結果を踏まえ、性的同意について「知っている」だけでなく、実際の場面で適切に判断し行動できるようになるための教育の必要性を訴えました。

 

ユースチームが制作した性的同意ハンドブックを紹介

女性の権利プロジェクト・ユースチームが制作した性的同意ハンドブック『性的同意ってなんだろう?』を紹介しました。

本ハンドブックは、性的同意を難しい法律の話としてではなく、若い世代が日常生活の中で自分事として考えられるよう制作したものです。「恋人同士でも確認は必要なのか」「お酒を飲んでいるときの同意はどう考えればよいのか」「相手が黙っていたら同意したことになるのか」といった、若い世代が実際に直面しやすい場面を取り上げながら、性的同意について分かりやすく解説しています。

ハンドブックでは、「YESは明確な意思表示であること」「同意はいつでも撤回できること」「無理や圧力のない状況であること」「相手を尊重すること」の4つを基本的なポイントとして紹介しています。また、性被害の際に起こり得る「5F(Fight:戦う、Flight:逃げる、Freeze:固まる、Fawn迎合する、Flop脱力する)」のサバイバル反応や、周囲の人が被害を防ぐためにできる「5Dアクション」、相談窓口、理解を深めるためのクイズなども掲載し、学校や大学、サークル、職場での学習や対話のきっかけとなる教材となっています。

登壇したユースメンバーは、「性的同意は相手の意思と身体を尊重するためのコミュニケーションであり、このハンドブックが、自分ならどう判断し、どのように行動するかを考えるきっかけになってほしい」と制作への思いを語りました。

ユース世代の立場から登壇した、東京大学総合文化研究科博士課程/性的同意を広める学生団体「Speak Up Sophia」共同設立者であるミーシャ・ケードさんは、「性的同意」という概念は以前より広く知られるようになった一方で、具体的にどのように同意を確認すればよいのかについては、十分に浸透していないと指摘し、「Noだけでなく、Yesも伝えられない若者がいる」と述べました。また、このハンドブックについて、人権問題に取り組むヒューマンライツ・ナウが性的同意を人権の視点から取り上げて制作したことに意義があると評価し、「自分の身体や意思を大切にし、相手の人権を尊重することを学ぶきっかけになってほしい」と期待を語りました。

 

教育現場での活用への期待

会見では、ヒューマンライツ・ナウの副理事長・理事として活動するとともに、大学教育や法曹などそれぞれの専門分野で活躍する登壇者からもコメントがありました。

登壇者からは、「性的同意」という概念は以前に比べて広く知られるようになった一方で、具体的なコミュニケーションや判断について学ぶ機会は依然として十分ではなく、知識と実践との間にギャップがあることが指摘されました。また、学校や大学での授業やワークショップなどにおけるハンドブックの活用を通じて、若い世代が具体的な場面を想定しながら学ぶ機会を充実させることの重要性が共有されました。

さらに、2023年の刑法改正によって不同意性交等罪が施行されたものの、その趣旨や性的同意に関する理解は社会に十分浸透していないとの指摘もありました。登壇者からは、本ハンドブックが「いのちの安全教育」をはじめとする教育現場や啓発活動の中で活用され、具体的な判断や行動につなげる教材となることへの期待が示されました。

 

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会見動画はYouTubeからご覧いただけます。

 

【お問い合わせ】hrn.women@hrn.or.jp