ヒューマンライツナウ、Physicians for
Social Responsibility & Women in Europe for a Common Future、そしてWomen in Europe for a Common Futureは、2014年女性の地位委員会(CSW)でパラレルイベントを開催します。
パラレルイベント『ポスト2015開発アジェンダにおける世界の健康と環境: 福島原発事故の教訓』
内容:
2011年3月11日、東京電力福島第一原子力発電所に構造的損傷を与え、環境への大規模な放射性物質の漏出をもたらしたあの東日本大震災及び津波から、ほぼ3年が経とうとしています。今日、依然として東電は、どうすれば現在も続く自社施設からの放射性物質漏出を止められるのかわかっていません。住民は安全で健全な環境に住む権利を持つものの、汚染地域では十分な保護対策や支援は提供されておらず、医療を受ける機会の権利や自身の身体について知る権利は著しく否定されています。
原子力発電所や核施設、核兵器がある限り、同じような核災害が再び起ることはあり得るでしょう。福島の原発事故は、核エネルギーは持続可能でないこと、そしてそのような災害は環境や最弱者の健康の権利を尊重しえないことを思い知らせてくれました。その上、我々は核災害による汚染は国境を越えて影響を及ぼすことを学んできたにも関わらず、原子力事故について責任がある民間企業の説明責任に関する国際的な枠組みは未だにありません。国際社会は、原子力事故の結果を最小限に食い止めるために、低線量放射線被曝に伴う長期的な健康リスクの危険性について議論を続け、効果的な国際協調と対策システムを実施する必要があります。
(イベントでは)日本の人権専門家と、ヨーロッパの環境及び女性活動家、放射線と原子力関係の問題の専門家であるアメリカの医師が、ポスト2015開発アジェンダにも含まれる世界の健康と環境についてのディスカッションで、放射線被曝から環境と女性をどのように守るか、また福島原発事故の教訓を活かすことの重要性についてお話しします。プレゼンテーションのあとに質疑応答の時間があります。
場所:
アルメニアコンベンションセンター ボールルーム1
ニューヨーク2番街630 (35丁目)
日程:
2014年3月10日月曜日 4:30PM 〜 6PM
スピーカー:
アンドリュー・カンター医師(Physicians for Social Responsibility & Women in Europe for a
Common Future、アメリカ)
サチャ・ガビゾン氏(Women in Europe for a Common Future、ヨーロッパ)
伊藤和子氏(ヒューマンライツナウ、日本)
備考:事前予約: march10hrnny@gmail.com.
一般公開。入場料なし。国連パス不要。
スピーカープロファイル:
■Physicians for Social Responsibility & Women in Europe for a
Common Futureアメリカ元理事長、アンドリュー・カンター医師。
原子炉事故シナリオからその他核放射線分散の公衆衛生への影響に至るまで、放射性プルーム(放射性雲)予測を研究してきました。コロンビア大学地球研のミレニアムビレッジプロジェクトにおける健康情報システム/医療情報科学の主任であり、同大学地球研の臨床生物医学情報学と臨床疫学の助教授でもあります。Physicians for Social Responsibility & Women in Europe for a
Common Future (PSR)/核戦争防止国際医師会議(IPPNW)の「原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)」の福島に関する報告への批評(www.psr.org/assets/pdfs/critique-of-unscear-fukushima.pdf)について、及び放射線に関連する健康問題について説明します。
■Women in Europe for a Common Future (WECF)事務局長、サーチャ・ガビゾン氏。
『第四版 持続不可能なエネルギー —核エネルギー:核放射線における男女の健康リスクの違い』(http://www.womenrio20.org/docs/Womens_priorities_SDG.pdfのレポート46〜51頁)を共同執筆しました。
■ヒューマンライツナウ(HRN)事務局長、伊藤和子氏。UN Womenアジア太平洋地域アドバイザーでもあり、元日弁連両性の平等に関する委員会委員長でもあります。ヒューマンライツナウの活動の一環として、2013年12月と2014年2月に福島での実情調査に参加しました。2012年11月のアナンド・グローバー氏(健康の権利に関する国連特別報告者)訪日に際し、グローバー氏と福島原発事故日本の市民社会や避難民とのミーティングの調整において重要な役割を果たしました。
共催団体:
ヒューマンライツナウ:
ヒューマンライツナウ (HRN) は、国連経済社会理事会 (ECOSOC) の特別協議資格を持つ国際人権NGOであり、弁護士、学者、ジャーナリスト、関心を持つ市民から構成される数百名規模のメンバーを持った日本を拠点とする国際人権団体です。2011年1月、日本の市民社会団体連合に代わって、国連人権高等弁務官 (OHCHR) に福島原発事故後の人権の現状について調査する特別報告者を依頼しました。その結果、健康の権利に関する国連特別報告者であるアナンド・グローバー氏が2012年11月に来日しました。 2012年12月、ヒューマンライツナウは70以上の日本及び世界の市民社会の支持を受けて、11月のグローバー氏の事前調査結果と勧告に基づき権利を基礎とするアプローチをとるようIAEAと日本政府に要請する共同声明を提出しました。原発事故後の福島の現状についての認識を高めるため、ヒューマンライツ・ナウNY事務局は国際社会に情報を提供するような人権セミナーや記者会見を企画しました。(http://hrn.or.jp/eng/)
WOMEN
IN EUROPE FOR A COMMON FUTURE: WECFは、万人の健全な環境を40カ国で世界的に主張するプロジェクトを実施する100以上の環境や健康に関する女性団体の国際ネットワークです。石油燃料や核エネルギーから持続可能で分散的な代替案への転換を促進しています。1992年リオ地球サミットでの欧州女性のイニシアティブを受けて、持続可能な発展に向かって共に取り組むため、そしてリオアジェンダ21の「女性メジャーグループ」に発言権と組織を与えるため、1994年にオランダで財団として公式に登録されました。化学、公衆衛生、エネルギー及び食糧生産の分野に、安全で環境に優しい解決策を提示しています。国家レベル、及び欧州、国連、国際レベルでのWECFの政策は、政策立案者に女性の視点を与えます。持続可能な発展のため、地域的、世界的な政策課程に女性も男性も参加できるようにします。WECFは地域レベルで解決策を実践し、国際レベルで政策に影響を与えます。(http://www.wecf.eu/english/about-wecf/).
Physicians
for Social Responsibility & Women in Europe for a Common Future (PSR):
PSRは、核戦争防止国際医師会議(IPPNW)のアメリカ支部で、放射線やその他の有害な物質への曝露に関する健全な公衆衛生政策を主張します。PSRは、核兵器の使用の阻止と廃止、安全な非原子力エネルギーの促進、地球温暖化と地球環境の有毒な劣化の減速、阻止、逆転に取り組む医学公衆衛生の代弁者です。福島は、危険なレベルの放射能被曝の危険に最もさらされている個人を保護すること、及び現在も続く住民の放射の健康上の影響を適切かつオープンに追跡することという差し迫った課題を提示しています。PSRは1961年に設立され、大気圏内核実験による世界的な放射能汚染を断ち切った部分的核実験禁止条約の達成に役立ちました。政府に核軍備競争を終わらせるよう世論の圧力を高めたとして、1985年、核戦争防止国際医師会議と共同でノーベル平和賞を受賞しました。(http://www.psr.org/)