大統領府は、1月30日記者会見において、メロ委員会の報告を受けて、アロヨ大統領は行政各部に以下の指示をしたと公表した。
1 国防省、国軍に対し、上官の責任に関してできる限り早く報告をすること
2 司法省、国軍は人権委員会とともに共同事実調査機関を作り、未解決殺害時件に関与したと疑われる国軍関係者に対する調査をすること
3 司法省は、政治的殺害に関する全ての証人に証人保護プログラムを提供できるように同プログラムを強化すること
4 大統領法律顧問に対して、最高裁にあてに、政治的殺害に関する犯罪を裁く特別法廷の設置を要望すること
5 メロ委員会は今後も活動を続けること
6 外務省に対し、EU、スペイン、フィンランド、スウェーデン政府あてに、メロ委員会を援助するための調査官派遣することを公式に要請すること
さらに、大統領は、人権侵害とりわけジャーナリストや活動家の殺害について、一切容認しない(zero tolerance)ことを強調した。また、対話や経済発展、相互安全保障に焦点を置いた、ミンダナオ和平プロセスを促進させると表明した。
また、フィリピン上院は30日、メロ委員会の報告書を公にすることを求める、パルパラン将軍に対する訴追をするべきだというプレスリリースを公表した。
一方、エスペロン参謀総長は、国軍関係者が左翼活動家殺害に関与したことを認めたが、軍により承認されていないとした。そして、関係者を調査して訴追するとした。しかし、左翼活動家の殺害は、軍、新人民軍、政治家の私兵の三者によって引き起こされているのであるから、軍のみが非難されるのではなく、フィリピン共産党と新人民軍が非難されるべきであるとも述べた。
パルパラン将軍については、在任中公式の捜査を受けたことはなく、訴追もされておらず、嫌疑があるだけである。証拠があるのであれば、裁判所に出せばよいのであり、すでに退役しているので、軍としては関与できない。犯罪は個人責任であり、上官責任は適用されないと主張した。
なお、バヤンムナ・アナクパウィスなどの左派政党は、メロ委員会の報告書は、上官責任を言うものの大統領の責任にふれておらず、また一連の政治的殺害の背景となっている反乱鎮圧政策について言及していないとして、批判をしている。
(出典)大統領府のプレスリリース
“GMA fires off several directives to stop extrajudicial killings”
http://www.op.gov.ph/news.asp?newsid=17122 出典元の削除によりリンク切れ
(出典)上院のプレスリリース
“JAMBY CHALLENGES GMA TO MAKE PUBLIC MELO REPORT”
http://www.senate.gov.ph/press_release/2007/0130_madrigal1.asp
(出典)その他
インクワイヤラー紙(1月31日)
“Arroyo to seek Europe help in probing slays”
“Melo panel told: Why stop with Palparan?”
http://newsinfo.inquirer.net/inquirerheadlines/nation/view_article.php?article_id=46571 出典元の削除によりリンク切れ
インクワイヤラー紙(1月31日)
“Int’l pressure imperative after Melo findings”
http://newsinfo.inquirer.net/inquirerheadlines/nation/view_article.php?article_id=46572 出典元の削除によりリンク切れ