【イベント報告】12/4 60万人以上が避難「ロヒンギャ人権危機と日本外交を考える」

12月4日(月)17時半より参議院議員会館にて、ミャンマーの民主化を支援する議員連盟と共催で、認定NPO法人ヒューマンライツ・ナウ、国際人権NGOヒューマン・ライツ・ウォッチ、公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンが緊急院内集会「ロヒンギャ人権危機と日本外交を考える」を開催しました。多数のメディアを含む約100名の参加者で会場は満席となりました。

 ミャンマー・ラカイン州では今年8月以降のロヒンギャ掃討作戦により、60万人を超えるロヒンギャ住民が隣国バングラデシュへの避難を余儀なくされ、避難者からはミャンマー国軍による深刻な人権侵害が報告されています。

しかし、11月16日に国連総会第三委員会で採択された、ロヒンギャの迫害を非難する決議では、米欧など135カ国が賛成するなか、日本は独裁国等と並び「棄権」してしまいました。

 この非常に残念な日本政府の態度を改めてもらうべく開催された本集会では、企画して下さった民進党 石橋通宏先生をはじめとし、自由民主党 逢沢一郎先生、社民党 福島瑞穂先生、立憲民主党 山川百合子先生・阿久津幸彦先生、民進党 藤田幸久先生が会場にてご発言くださったほか、多数の議員秘書のみなさまもご参加くださいました。

 集会では、まずジャーナリストの木村元彦氏が、ロヒンギャ難民の現地の状況を動画を交えて報告しました。家族を失い、自分も性的暴行に遭った女性の生々しい証言などに会場全体が言葉を失いました。

在日ビルマ人難民申請弁護団の渡邉彰悟弁護士からは、ロヒンギャ迫害の歴史的・政治的背景や、日本に逃れてきたロヒンギャ難民がまだ認定を得られず収監されているとの問題提起がありました。

 その後、在日ロヒンギャ人のゾーミントゥ 氏は、来日してから約20年、日本の外務省はロヒンギャ問題に沈黙を保ち続けてきたと指摘しました。

21世紀のジェノサイドとも言える惨劇が続くなか、日本政府はミャンマー政府や軍高官との交流を続けており、それは人権侵害に静かに加担していることを意味すること、日本政府が姿勢を変えるよう、日本国民ひとりひとりが声を上げて欲しいと、会場に強く訴えました。

“What can I say about the Japanese government? They ignore us! I can say they ignore us, the Rohingya’s plight. More than half of a million people have been fleeing to Bangladesh in desperate situations, and thousands have been killed in front of them. It is the 21st century! We saw that kind of genocide in 1994 in Rwanda. It is the 21st century. How can the world community let the military government commit this kind of genocide in front of the world community?”

「日本政府について何が言えるでしょうか?我々を無視していますよ!ロヒンギャの窮状は無視されています。目の前に何千人もの人が殺害されたことを目撃した、60万人以上の人々が必死にバングラデシュに避難しています。21世紀じゃないですか?1994年にルワンダで全く同じことを黙殺したのではないですか?21世紀ですよ!国際社会は、軍政府がこんなジェノサイドを行っていることを堂々と許しているなんてあり得ないはずですよ。」

―ゾーミントゥ

 満員の会場も、ロヒンギャ難民の苦しむ姿への衝撃とともに、国連総会第三委員会でロヒンギャ決議を棄権したことへの大きな驚きと落胆、そしてなぜ日本外交はこの悲劇を止めるための行動をとらないのかと、怒りの声も多く聞かれました。

12月5日にジュネーブ国連人権理事会で行われるロヒンギャ会合では、態度をしっかり改め、ロヒンギャの人びとの人権を守るため立ち上がってほしかったです。再び棄権してしまって、残念極まりないです。