【報告書】#MeTooを法律へ 性犯罪に関する各国法制度調査報告書

ヒューマンライツ・ナウは本日2018年10月15日・報告書「#MeTooを法律へ性犯罪に関する各国法制度調査報告書」を公表し、政府・国会議員・関係各機関に対し、国際的な趨勢に基づく法整備の実現を求めます。

報告書本文はこちら(PDF)から確認してください。

報告書のあらましは以下のとおりです。


2017年、日本において110年ぶりと言われる刑法性犯罪規定の改正(以下「2017年性犯罪規定改正」という。)が実現した。しかしながら、改正は国連人権機関等による勧告内容や世界的潮流からみれば十分なものとはいえず、被害者や支援団体からはさらなる改正の必要性が指摘され続けている。また、性暴力の被害にあった者に対する迅速かつアクセス可能なサポート体制は十分ではなく、制度としての医療的・心理的支援と証拠収集、民事・刑事上の責任追及等警察・検察及び司法での法的支援が十分とは到底いえない現状がある。

警察、内閣府等が中心となってこうした問題の解決に取り組んではいるものの、全体としての対応が十分とは到底言えず、2017年性犯罪規定改正では、附帯決議として、性犯罪の捜査・公判における被害者の二次被害の配慮・予防やワンストップ支援センターの整備推進などが盛り込まれた。

刑法の性犯罪規定が被害者が直面している現実(リアリティ)を反映したものとなっておらず、性暴力の不処罰が横行してきたことは、日本のみならず、世界的な現状と言える。しかし、1993年の国連「女性に対する暴力撤廃宣言」や、1995年の北京女性会議が採択した行動綱領(Beijing Declaration and Platform for Action)を経て、世界各国で法改正が少しずつ進み始めた。昨今の#Metooの動きを受け、世界ではさらに、被害者の視点に即した法改正や制度見直しの動きが進みつつある。

東京を本拠とする国際人権NGOであるヒューマンライツ・ナウ(以下「HRN」という。)は、こうした状況を踏まえ、特に参考になる欧米およびアジア諸国の性犯罪規定および被害者支援の体制について調査研究を行い、各国制度の比較調査及び国際スタンダードを踏まえた立法提言を行うことととし、プロボノ弁護士により構成された調査チームが各国法制度の比較検討を行った。

本調査では、下記の事項についてまず、日本の現状を概観したうえで、米国、カナダ、イギリス、フランス、ドイツ、スウェーデン、フィンランド、韓国、台湾について下記事項に関する調査を行った。

本調査の結果、諸外国は、いずれの論点においても法改正を重ねて改善を進める一方、日本は、いずれの論点においても諸外国から大きく立ち遅れていることが確認された。

これに加えて、国連が2009年に出版した「女性に対する暴力に関する立法ハンドブック」に記載された立法提言を加味して、あるべき法改正の方向性を考え、後記のとおり立法案の勧告を行うものである。