【提言】東日本大震災の被災者(避難所・自宅居住)の方々の 権利保障のために当面配慮し、実現されるべきこと

 

◆震災問題プロジェクト

 

 東日本北大震災から1か月以上が経過しました。避難所生活を送られている方々、そして被災地の自宅で生活をされている方々は未だ不自由な生活を継続されています。

 

 国際人権NGOヒューマンライツ・ナウ(HRN)は、すべての被災者の方々に憲法・国内法・国際人権法で保障される人権に基づく対応がなされること、子ども、女性、障がい者、高齢者、外国人など特に脆弱な人々への配慮と保護がなされることを要請します。また、阪神大震災等等の過去の災害で浮き彫りになった人権上の課題を克服することも求められています。

 

 国連で採択された【国内避難民に関する指導原則】は、災害等等により避難生活を送る人(避難民)の人権尊重のための詳細な原則を定めています。 緊急支援にあたる国際機関からなるIASCが2006年6月に採択した「自然災害発生時の被災者保護に関する運用ガイドライン」など、国際的な被災者・避難民保護のガイドラインが確立しています。私たちはこれの原則に基づき、また現場での支援活動等から得られた情報・懸念等を踏まえ、特に必要な対支援にあたっている関係諸機関に以下のとおり要請します。


 

 


HRN 政策提言 各論 .pdf

 

【提言項目】
1  避難所における人権保障と避難所の設備・設計等

1) 居住に足りるスペースを確保し、家族のプライバシーが確保されること

2) 女性・少女の視点から避難所の設計を配慮すること

3) 高齢者・障がい者のニーズに対応すること

4) 安定した環境

2  食料・衣類等支援物資に対する権利と運営への参加

1) 被災者の立場に応じた支援物資およびサービスの提供

2) 支援へのアクセスの確保

3) 被災者による避難所の運営および意思決定

4)格差の是正

3 医療・衛生ケア

1) 地域の医療機関・助産機関・保健センター等との連携

2)避難所での健康の維持および感染症等への対策

3)脆弱な人々の立場に応じた健康・医療ケアの提供

4)安全な衛生設備の確保

5)心のケア

6)仮設住宅・移転後

4 情報の提供と自己決定

1)情報提供の必要性

2)情報提供への配慮と自己決定への援助

5 家族がともに暮らす権利、家族について知る権利および遺品に関する権利

1)家族がともに暮らす権利

2)家族について知る権利および遺品に関する権利

6 居住権の保障と住民参加、コミュニティへの帰還

1)仮設住宅・恒久住宅へ

2)居住の権利

3)居住に関する被災者の参加と意見聴取

4)自己決定権の十分な尊重

5)居住地への帰還、復興への参加

7 脆弱な立場にある人々への特別の配慮、保護