東京に本拠を置く国際人権NGOヒューマンライツ・ナウは、株式会社シマノのサプライチェーンにおける人権侵害、強制労働の疑いについて調査・分析するとともに、この事例に基づいて、日本における強制労働により生産された製品の輸入規制の制定に関する提言を行うための報告書を公表しました。
新型コロナウィルス感染症のパンデミックを契機に、世界的な自転車需要はかつてないほどに急増しました。しかしそのブームの影で、自転車部品を製造する国外サプライチェーンの工場で移民労働者に対する深刻な人権侵害、「現代奴隷」に等しい状況が発生しています。
本報告書では、グローバル・サプライチェーンにおける移民労働者の搾取について、3つの段階((1)人権侵害行為に直接関連する企業、(2)人権侵害が発生している国、及び(3)人権侵害に関連して生産された製品の輸出先となる国)で検討を行います。具体的な議論を行うため、株式会社シマノのサプライヤーであるKwang Li Industryが経営するマレーシアの自転車部品等の製造工場で発生したネパール人及びバングラデシュ人の移民労働者に対する権利侵害の事例をケース・スタディとして取り上げます。
グローバル・サプライチェーンにおける搾取を根絶するため、労働法の実効性強化、倫理的な募集・斡旋基準に加えて、強制労働に関連する製品の輸入禁止を実施することを提唱します。
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