2020年8月19日
記者会見のお知らせ
「ウイグル自治区における人権を著しく侵害する強制労働の実態と日系企業の関与」
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報道機関各位
東京に本拠を置く国際人権NGOヒューマンライツ・ナウ(HRN)は、アパレル業界の世界的な人権問題に取り組む各国の国際人権NGOとともに、「新疆ウイグル自治区のアパレル・繊維産業における人権侵害に関するCall to Action」を公表し、これは現在まで35ヶ国250以上の団体から賛同されました。オーストラリアのシンクタンク、オーストラリ戦略政策研究所による報告書「売り物のウイグル人–新疆地区を越えての『再教育』、強制労働と監視」によれば、2017年から2019年の間に新疆ウイグル自治区の約80,000人が、世界的な有名ブランド83社のサプライチェーンで深刻な強制労働を強いられています。強制労働には恣意的な拘束、隔離生活、恒常的な監視、アイデンティティ教育、過剰労働、家族の身の安全に対する脅威など、甚大な人権侵害を伴っています。また、強制労働を伴うサプライチェーンには、多数の日本企業が含まれていることが報告されています。
HRNはこの事態に関して、上記報告書の概要の日本語訳及び、報告書で言及された日本企業に対して質問状を送付した日本ウイグル協会と協力し、「ウイグル人の人権を著しく侵害する強制労働の実態と日系企業の関与」を作成しましたので、下記のとおり記者会見を開催し、その内容を公表・報告致します。
記
日時:2020年8月28日(金)午後3時より
場所:厚労省記者クラブ
参加申込先:幹事社 産経新聞
※加盟してない報道機関でも申し込み頂くことで参加可能です。
出席者:レテプ・アフメット(日本ウイグル協会副会長)、阿古智子(東京大学大学院教授)、伊藤和子(HRN事務局長)、佐藤暁子(HRN事務局次長、ビジネスと人権プロジェクトリーダー)
ほか
【背景】
ビジネスと人権の問題に関して、国際社会では「ビジネスと人権に関する国連指導原則」や「衣類・履物セクターにおける責任あるサプライチェーンに関するOECDデュー・デリジェンス・ガイダンス」の徹底が求められており、日本企業も例外ではありません。新疆・ウイグル自治区では、中国産コットンの80%以上が生産され、世界市場における生産量の20%を占めています。このような状況下では、新疆ウイグル自治区に生産拠点を設ける企業が強制労働に加担していない、あるいは人権への配慮とともに強制労働の使用が防がれていると証明することは非常に困難です。この状況を改善するために、アパレル・繊維産業のブランド、小売業者がブランドコミットメントに記される行動を取ることに同意し、署名により義務の受託を記録することを呼びかけました。
日本ウイグル協会による質問状に対し、ほとんどの企業が回答をしたものの、その内容はまだ不十分であり、より積極的な行動が期待されます。
新疆ウイグル自治区の強制収容及び強制労働について、日本政府そして日本企業がその責任を果たすことを求めます。
【本リリースに関する問い合わせ先】
認定NPO法人ヒューマンライツ・ナウ(担当:佐藤)E-mail: info@hrn.or.jp