「AV出演強要 被害をなくすための法制化が急務」院内集会イベント報告
日時 2019年12月3日 (火) 10:30~11:45
場所 衆議院第二議員会館 第2会議室
出席者数 約45名
2019年12月3日、ヒューマンライツ・ナウはNPO法人人身取引被害者サポートセンターライトハウス、NPO法人ポルノ被害と性暴力を考える会(ぱっぷす)と共催で院内集会「AV出演強要 被害をなくすための法制化が急務」を開催いたしました。AV出演被害の防止、拡散した性的画像記録を止める法的な手立てがなく、被害相談の多くは解決に至っておりません。
NPO法人「人身取引被害者サポートセンターライトハウス」の藤原志帆子代表によるとAV出演強要相談は週に一件ほどあり、その内4、5人に1人が男性で、男女ともに被害にあっているそうです。また、一度映像が出回ってしまうと販売停止にすることができない、流通を止めることができないと述べました。そして被害者の意見を代読し、「もっと早く支援団体を頼ればよかった。自分と同じ苦しみを味わってほしくない」と伝えました。
NPO法人ポルノ被害と性暴力を考える会(ぱっぷす)の岡恵さんは2012年に相談支援事業を始めてから最近の相談の傾向が変わったといいます。「AV出演強要問題」とネットで検索しても削除はできることが分かるので、削除依頼の相談が増えたそうです。しかし、削除請求に多大な費用がかかり、本人が削除依頼を出そうにも自分の動画・画像を見ることがいかに苦痛であるかを訴えました。また、撮影時に本人の性的同意などは考慮されず、現場で内容が決まり、撮影現場での人権が守られていないと説明しました。
HRN伊藤和子事務局長は本人の意に反する性行為、そして映像が半永久的に残ってしまうことの懸念を示しました。そして、AV出演強要被害に対しての監督官庁が決まっていないことを指摘し、労働者派遣法の厳罰化を訴えました。また、出演強要に対してふさわしい刑事罰がないことから困惑、疑問に基づいた売春法と同じ強要罪を適用する必要性と児童ポルノ、リベンジポルノと同様に事業者の責任を問うことが必要だと述べました。
また、自己規制団体は大手の事業主には働きかけることができるが個人や小規模な事業主に対しての働きかけには不十分であると指摘し、業界全体に対しての取り組みが必要だと述べました。
NPO法人ポルノ被害と性暴力を考える会(ぱっぷす)の金尻カズナさんは児童ポルノの削除率は99%以上だがAV出演強要の映像の削除率70%であると伝え、残り30%をどうするのかが課題だと訴えました。
その為にも上記の点を踏まえた法律制定が急務であると考え、ヒューマンライツ・ナウはこれからも協力団体と連携しつつAV出演強要問題に取り組んで参ります。