【ニューヨークでの活動】HRNがニューヨークに事務所を置き、活動しているのをご存知ですか?

              HRNニューヨークでの活動

 ヒューマンライツ・ナウ(HRN)がニューヨークに事務所を置き、活動しているのをご存知ですか?
 2012年に国連協議資格を取得したヒューマンライツ・ナウは、世界の人権侵害をなくすための公正な世界のルール作りのために、ニューヨークを拠点にロビー活動等を開始しています。
 ニューヨーク国連本部におけるヒューマンライツ・ナウの国連特別代表代理の一人であるマロミ・マルティネスさんから2017年春から夏の活動を報告してもらいます。
 

    国連本部のあるNYでのHRNの活動は、国連特別協議資格を活かして国連の会議等に出席・参加し報告することが大きな位置を占めています。この1年間を通して、国連本部で開かれた国連総会、女性の地位委員会、核兵器禁止条約交渉会議等主要な会議に出席し、HRNウェブサイト、Facebook、Twitter等を通して日本や国際社会へ発信してきました。

    また、この1年でHRNは新たに3つの国際NGO提携団体(Coalition)に加わりました。
    ①NGO CSW/NY(女性の地位委員会非営利団体NY支部)、
    ②ICAN(核兵器廃絶国際キャンペーングループ)と
    ③INEW(爆発性兵器に関する国際ネットワーク)です。加盟した提携団体のミーティング等に参加することで、情報交換や交流の機会も増えました。

    (マルティネスまろみさん)

    ① NGO CSW/NYのメンバーとしては、2017年3月に開かれた第61回国連女性の地位委員会のサイドイベントに関する情報等をUN Womenから直接得ることができ、NGO CSW/NYの主催したイベントの実行委員会のメンバーとしても貢献しました。委員会開催中には、HRNも「日本のエンターテイメント産業における少女・女性の搾取」と題したサイドイベントを行いました。スウェーデン人身取引を防止するための特任大使、国連日本政府代表大使、HRN事務局長、HRN副理事長をパネリストとして迎え、女性の性搾取問題に取り組む米国内外の団体も関心を示していました。また、NGO CSW/NYの月例ミーティングは、ゲストスピーカーを招いたパネルディスカッションも頻繁に行われ、女性の権利に関する有益な情報を得ることができました。

    ② ICANのメンバーとしては、今年3月から始まった核兵器禁止条約交渉会議中展開されたICANの反核キャンペーン活動に世界中からの団体と共に参加しました。NGOとして核兵器禁止条約の実現を様々な形で後押しし、禁止条約が採択された歴史的瞬間にも立ち会いました。

    ③ INEWのメンバーとしては、5月の国連安全保障理事会の討議に向けてINEWが意見発表をしましたが、数少ない市民団体のオブサーバーとしてHRNは討議に出席しました。
    世界中の紛争で民間人、特に子どもが殺害されていますが、そうした悲劇は、空爆等を行う交戦国が、ジュネーブ条約などの国際人道法を守らず、民間人が居住するエリアで爆発性の兵器を使い続けることにあります。紛争で罪のない命が奪われることがないように、これからも国際的な合意形成に貢献していきたいと考えています。

    NYでの活動は、①少女・女性への暴力や性差別等の人権侵害、②ビジネスと人権、③人道的武装解除の三つの分野にフォーカスを絞っていますが、2016年11月のアメリカ大統領選挙以降、トランプ政権が及ぼす人権への影響にも強い懸念を示し、声明を発表しています。また、世界各地で広まりつつある市民社会への弾圧や制限に関するミーティングにも機会あるごとに参加しています。将来的にNY現地でプロジェクトを立ち上げるための準備等を始めています。

    9月からいよいよ国連総会も始まり、人権と平和に関する重要な意思決定が相次ぎますが、引き続きニューヨークの活動に注目いただき、応援いただけると嬉しいです。

    【プロフィール】マルティネスまろみ
    米国ミズーリ州立大学にて、社会学学士とフランス文学&言語修士取得。リヨン第2大学夏期プログラム修了。米国内の難民・移民受け入れ支援、国連経済社会局の障害者権利条約事務局、セルビア・マケドニア国内のシリア・イラク人難民やコソボ紛争難民支援などのインターンを経て、現在ヒューマンライツ・ナウNY事務所の国連代表代理。

    ニューヨーク事務所の声明・報告はこちらからご覧ください。これからもニューヨーク事務所から最新の情報を伝えていく予定です。
    【声明】ヒューマンライツ・ナウが核兵器廃絶を求める声明文を公開しました。
    【報告】NY国連本部における核兵器禁止条約の交渉会議の報告
    【報告】NY国連本部における核兵器禁止条約の交渉会議の結果報告
    【声明】核兵器禁止条約の採択を歓迎し、国連全加盟国に参加を求める。