【メディア】グローバー氏招聘企画の記事(朝日新聞/東京新聞/東洋経済オンライン/Bloomberg News他)

グローバー氏招聘企画の記事が各紙に取り上げられましたので、ご紹介します。
■2014年3月20日(金) Bloomberg News
UN Investigator Calls for More Testing of Fukushima Heath Impact
http://www.businessweek.com/news/2014-03-20/un-investigator-calls-for-more-testing-of-fukushima-heath-impact
■2014年3月25日(火) 東洋経済オンライン
http://toyokeizai.net/articles/-/33623
子ども被災者支援法”骨抜きバイアス”の実態 英文の勧告を誤訳、健康調査拡大を先延ばし
意図的に誤訳をして、対策の範囲を狭めようとしたのではないか――
そう見られてもおかしくない”疑惑”が判明した。
国連人権理事会から任命され、福島第一原発事故による被災者の人権状況を調査した
弁護士による英文の勧告を、外務省が誤った日本語に翻訳。しかも同弁護士から
求められていた対策について「実施済み」と公文書に記述しているのだが、
対策は行われていないことも明らかになった。
独立した立場で原発事故被災者の人権状況を調査したアナンド・グローバー弁護士は、
昨年5月に勧告を同理事会に提出。福島原発事故に際して、「多くの人々は政府が
設定した『年間被ばく線量20ミリシーベルト』という避難基準のもと、放射線量の高い地域に
住み続け、移住・避難のための経済支援も十分な健康対策も図られていない」と
日本政府の姿勢を強く批判していた。(続きはリンク先をご参照ください)
■2014年3月21日(金) 東京新聞 こちら特報部
『「低線量被ばく 考慮を」 国連人権理事会で勧告 グローバー氏』
国連人権理事会で福島原発事故の健康被害に関する勧告を日本政府に出した
アナンド・グローバー氏が20日、東京都内で講演し、低線量被ばくの影響を依然として
軽視する政府の姿勢を批判。福島県以外の地域でも健康管理調査を行うよう求めた。(榊原崇仁) 
日本政府の対応批判 官僚の「勉強不足」露呈 
「低線量被ばくによる健康影響は正確には分からないというのが私の見解だ。
分からないということは、無視してはならないということだ」。
日本外国特派員協会で講演したグローバー氏はそう強調した。 
国連人権理の特別報告者に任命されているグローバー氏はインド出身の弁護士。
2012年11月に来日し、約2週間にわたって原発事故の被災者や行政関係者らの聞き取り調査などをした。
昨年5月の人権理事会での報告や勧告では、
(1) 年間1ミリシーベルト以上の放射線量の地域に居住する人たちに対して健康管理調査を実施すること 
(2) 年間1ミリシーベルト未満に下げるための計画を早期に策定すること 
(3) 被災者支援などの政策決定に住民を参加させること ―などを日本政府に求めた。 
講演で、グローバー氏は「いまだ日本政府は『20ミリシーベルト以下は安全』という立場を取る。
私の見解と違う」と指摘。福島県内のみが対象の健康管理調査は「限定的」として、
さらに広い地域で行うよう求めた。 
グローバー氏は、参院議員会館の院内集会にも出席。「チェルノブイリ原発事故では、
放射線の健康影響は甲状腺がんのみと結論付けられたが、公開されているデータが非常に少なく、
チェルノブイリを前提にするのは問題だ。甲状腺がんに限らず、包括的に健康調査を行うべきだ」と訴えた。 
院内集会には日本政府関係者も招かれた。環境省の桐生康生参事官は
「広島や長崎でも100ミリシーベルト以下で明らかな影響が認められていないと認識する。
なぜ1ミリシーベルトを持ち出すのか根拠を聞きたい」と疑問を呈した。
これに対し、集会に参加していた元国会事故調査委員会委員で元放射線医学総合研究所主任
研究官の崎山比早子氏は、原爆の被爆者の健康調査のために日本で設けた「放射線影響研究所」が
12年に発表した論文を取り上げ「リスクがゼロなのは線量がゼロの時以外にないと書いてある」と反論。
グローバー氏もこの論文を根拠の一つとして低線量被ばくの健康影響を考えていると説明した。
桐生参事官は「その論文自体、把握していなかった」と言葉を詰まらせた。 
人権団体「ヒューマンライツ・ナウ」事務局長の伊藤和子弁護士は
「勉強不足にもほどがある。危機意識が欠けている証拠だ」。
福島市から東京都内に子ども2人と避難している二瓶和子さん(37)は
「政府は都合の良い解釈で人権を踏みにじっていることを分かってほしい」と話した。 
特別報告者による勧告は、「第三者的な専門家による助言で、法的拘束力はない」(外務省人権人道課)
というのが日本政府の位置付け。「勧告に沿った改善の努力を惜しまない」(同)とするが、
日本政府の反応はあまりに鈍い。 
福島の子どもたちが安全な場所で教育を受ける権利を求める「集団疎開」訴訟の
代理人を務める柳原敏夫弁護士は、「グローバー氏の見方が世界の常識。
日本政府の非常識な態度があらためてはっきりした」と語った。 
■2014年3月22日(土) 朝日新聞デジタル 『100msv以下安全論「根拠なし」』
http://www.asahi.com/articles/CMTW1403210700005.html
*国連人権理事会特別報告者講演
東京電力福島第一原発事故による健康被害対策について
日本政府への勧告を提出した国連人権理事会特別報告者アナンド・グローバー氏が
20~21日、東京都内や福島大で講演した。
低線量被曝(ひばく)について流布されている
「(生涯で)
100ミリシーベルト以下なら安全だ」との説を
「科学的根拠がない」と批判した。
「放射線量が年間1ミリシーベルトを超えるすべての地域での健康管理調査」を昨年5月、
政府に求めた同氏は、「100ミリシーベルト以下ならがんは増えないなどという一部の主張に
合理的根拠は全くない」と強調。「正確には『分からない』と言うべきだ。危険でないと証明できない以上、
慎重すぎるぐらいの対策を取るのが人権の立場だ」と提言の根拠を説明した。
また国際法で保障されている「健康への権利」を守るために、
「最も重要なのが、政策作成過程のあらゆる段階に当事者が参加することだ」と指摘。
今回の原発事故では避難指示や帰還方針の決定過程で「被災者の参加がない」とした。
講演後のシンポジウムで荒木田岳(たける)・福島大准教授は、
政府が同氏の勧告に「個人的見解で法的拘束力はない。科学的根拠に乏しい」などと反論したことを紹介。
「政府こそ反論の根拠を示さず、原子力を推進する一民間団体の国際放射線防護委員会の見解に
依拠するだけ。事故前の法規制さえ守らない」と批判。
同氏は市民が声をあげること、政府との対話の継続を訴えた。
■2014年4月10日 I(あい)女のしんぶん