【イベント報告】国際女性デー記念ウェビナー「ユースと考えるデジタル世代の性暴力」

2026年3月6日(金)、国際女性デーを記念し、オンラインにてユースウェビナー「ユースと考える デジタル世代の性暴力」を開催しました。本ウェビナーは、SNSやオンラインプラットフォーム、生成AIの普及に伴い深刻化するデジタル空間での性暴力について理解を深めるとともに、ユース世代が当事者として果たし得る役割を考えることを目的として実施されました。


上谷さくら先生によるご講演

講演では、データをもとにデジタル性暴力の現状が共有されました。SNSに関連する性犯罪は増加傾向にあり、特に若年層の被害が深刻化しています。小学生の被害件数は平成26年と比較して3倍以上に増加しており、被害の低年齢化が進んでいる状況が示されました。

また、被害のきっかけとして被害者自身の投稿が一定数を占めていることが紹介され、日常的なSNS利用がリスクにつながる可能性が指摘されました。さらに、16歳から18歳で初めて被害に遭うケースが多いことも報告され、この年代における対策の重要性が示されました。

加えて、未成年による性犯罪の増加など、加害者側の変化についても言及されました。その背景として、スマートフォンの普及により撮影や拡散が容易になったこと、非対面であることから行為の重大性を認識しにくい点、リテラシー教育の不足などが挙げられました。

法制度に関しては、リベンジポルノ防止法など既存の法律がある一方で、セクストーションや生成AIによるディープフェイクといった新たな問題には十分に対応しきれていない現状が説明されました。そのため、現行法を組み合わせて対応していること、今後は制度整備が求められることが示されました。

また、予防の観点から、教育とリテラシーの重要性が強調されました。スマートフォンやSNSの利用に伴うリスクを理解し、画像の送信や共有がどのような被害につながる可能性があるのかを学ぶことが、被害および加害の防止につながると整理されました。


ユースとのQ&Aセッション

ユースとの対話では、SNS利用に関する教育のあり方について意見が共有されました。「やってはいけない」といった禁止事項だけでなく、その理由まで十分に説明されていない現状や、スマートフォン利用開始時に体系的な教育を受けた経験が少ないことが指摘されました。

また、性被害の低年齢化や生成AIの影響に関する不安や疑問など、当事者に近い立場からの声が挙げられました。

法律に関する議論では、性的画像の二次利用やAIによる画像生成への対応、同意の有無の立証といった具体的な課題が提示されました。これに対し、現行制度では対応が難しい部分があることに加え、捜査の難しさや専門人材の不足といった実務上の課題についても説明がなされました。


本ウェビナーを通じて、デジタル性暴力が身近な社会課題であることが改めて示されました。また、教育・制度・対話といった複数の側面からの対応の重要性が共有されました。ユース世代の視点を取り入れた本取り組みは、安全で相互に尊重し合えるデジタル社会の実現に向けた一つの実践として位置づけられます。