【イベント報告】3/9開催「刑法改正はどうなっているのか?〜私たちが望む社会に向けて〜」

 

 

 

 

3月9日(火) 19:00〜、国際女性デー記念イベント「刑法改正はどうなっているのか?〜私たちが望む社会に向けて〜」を開催しました。

 

 

当イベントでは、ジャーナリストの伊藤詩織氏、東京新聞記者の望月衣塑子氏をゲストスピーカーとしてお迎えし、刑法性犯罪規定改正の意味を改めて問いました。

 

 

まず冒頭に、ヒューマンライツ・ナウの後藤弘子副理事長が開会の挨拶を致しました。

 

 

次に、中山純子弁護士より、現在法務省で行われている性犯罪に関する刑事法検討会の進捗報告と、そこで議論されている論点「暴行・脅迫や心神喪失・抗拒不能の要件の在り方」「地位・関係性を利用した犯罪類型の在り方」についての解説がありました。

 

 

続いて、ヒューマンライツ・ナウの伊藤和子事務局長(以下伊藤事務局長)とゲストスピーカーのお二人によるパネルディスカッションが行われました。

 

 

暴行・脅迫の要件,心神喪失・抗拒不能の要件を撤廃し,被害者が性交等に同意していないことを構成要件とすべきか、という点について伊藤氏は、Consent is everything (同意が全て)であることを前提に、法律が性的同意に関する社会通念を変えるきっかけになるとして、刑法改正の必要性を訴えました。望月氏は、刑法改正に加え教育やメディアを通して社会に性的同意に関する認識を広めることも大切だと述べました。

 

 

心神喪失・抗拒不能の要件の在り方について伊藤事務局長は、「困惑」「恐怖」といった被害者の心理状況が救済される要件の導入が必要だと訴え、望月氏は、要件列挙ではカバーしきれない状況がある可能性も危惧しました。

 

 

地位・関係性を利用した犯罪類型の在り方について伊藤氏は、性暴力被害の実情に沿った刑法改正には被害者の脆弱性,被害者との地位の優劣・関係性などを利用して行った行為について、新たな罪を創設することが不可欠だと訴えました。望月氏は、女性の社会進出における性暴力や教師から生徒への加害などを例に挙げ、まだ明るみに出ていない性暴力犯罪が数多くあることを指摘しました。

 

 

閉会の挨拶において、ヒューマンライツ・ナウの雪田樹理理事は、刑事法検討会に向けて被害の実情を示し、日本の刑法性犯罪規定が国際基準に追いつくよう働きかけを続けていきたいと締め括りました。

 

 

参加者の皆様からは、

「刑法改正の問題点がよく分かった」

「一市民として、もっと強く働きかけが必要だと感じた。」

「刑法改正に向け、草の根からも声を上げていこうと思いました。」

「今後の進展などもぜひ知りたい」

など、多くの力強い感想をいただきました。

 

 

ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。

 

 

(文=國末りこ)