【報告】NPO法人知的財産振興協会」(IPPA)がAVプロダクション 関係者逮捕について声明を発表。

国際人権NGOヒューマンライツ・ナウは、2016年3月3日、女性の権利プロジェクトによる調査報告書 「日本:強要されるアダルトビデオ撮影 ポルノ・アダルトビデオ産業が生み出す、 女性・少女に対する人権侵害」を公表し、社会的に大きな反響を呼びました。 (報告書はこちらからご覧いただけます。http://hrn.or.jp/news/6600/)

同報告書公表後、HRNは各関係者に対して政策提言を進めており、先日、アダルトビデオのメーカーなどでつくる団体「NPO法人知的財産振興協会」(IPPA)と、今後の改善に向けて話し合いを行いました。

6月22日、アダルトビデオ(AV)出演強要問題をめぐり、大手AVプロダクションの社長などが逮捕された事件を受けて、IPPAが、業界の健全化へ向けて、メーカーとしてもプロダクション側に働きかけていくとする声明文を発表しましたので、報告いたします。

HRNは引き続き各関係者と協議を続け、改善を求めていきます。

IPPAの掲載記事はこちらからご覧いただけます。

 

AVプロダクション 関係者逮捕について
NPO 法人知的財産振興協会は、主な AV メーカーが在籍し業界全体で違法コピーなどの取り締まりをしております。
この度AVプロダクションの関係者逮捕について皆様にご心配をおかけしておりますこと、大変申し訳なく思っております。メーカー側は法的には問題ないとされており
ますが、業界としてはこの事態を重く受け止めております。
そして、「原因究明」「再発防止」をするために、先月この件について、被害者救済を求める認定 NPO 法人ヒューマンライツ・ナウの弁護士の皆様、NPO の皆様との会
議を行いました。
そこで以下のとおり要望がございました。

1) プロダクションや制作会社との間でコードオブコンダクトを締結し、強要しない、違約金請求しない、同意のない作品には出させない、人権侵害を行わない、適正な報酬を支払う、等の項目を具体化し、それを承諾したプロダクション・制作会社としか取引しないようにする。
2) 出演契約にあたっては、女優の頭越しに契約するのでなく、女優が参加したうえで契約を締結する。その際、プロダクションの監視により女優が自由に意思決定で
きない事態を防ぐため、マネジャーが同席しない場での真摯な同意があるか意思確認するプロセスを踏む。
3) 女優が出演拒絶した場合、違約金を請求せず、メーカーが損失を負担する。違約金に関しては保険制度等を活用する。
4) 1)が守られていない等の苦情申し立てに対応する機関を設置し、1)が守られていない疑いが強いものについては、販売差し止めを含む救済策を講じる。
5) 女優の人格権保護のため、プライベート映像の流出・転売等を防止し、流通期間に制限を設け、意に反する二次使用、三次使用ができない体制をつくる。

この会議の後、NPO 法人知的財産振興協会の理事社にて話し合い、この要望に沿い業界の健全化へ向け、メーカーとしてもプロダクション側に働きかけていくことを決議、
実行することに致しました。
また、これ以外にも、被害者救済の NPO 団体の皆様とも連携し相談することができるシステムを構築し、問題があった場合早急に対応ができるような仕組み作りをするべ
く進めております。
今回の件は、メーカーとしてもプロダクションで起こったことだと他人事にするつもりはございません。厳粛に受け止めております。プロダクションにも働きかけ業界全
体の健全化に向け早急な改善を促していきたいと思っております。
この件では、NPO 法人知的財産振興協会として、今まで対応を自主的に行っていなかったことに対し深く反省しております。

幾重にもお詫び申し上げます。

平成 28 年 6 月 22 日
NPO 法人知的財産振興協会