【声明】抗議デモ参加者に対する香港警察の武力による強制排除に強く抗議する

ヒューマンライツ・ナウは抗議デモ参加者に対する香港警察の武力による強制排除に強く抗議する
声明を発表しました。

「逃亡犯条例」改正案撤回を求めるでも参加者に対する香港警察の暴力行為に深い懸念を表明し、
国際人権法に基づく集会の自由などの権利を尊重し、武力による強制排除を直ちに停止することを求めます。

PDF版はこちらから【HRN香港に対する声明】201907

英語版はこちら HK_Protests_Statement

2019年6月14日
【声明】デモ参加者に対する香港警察の武力による強制排除に強く抗議する

東京を拠点とする国際人権NGOヒューマンライツ・ナウ(HRN)は、香港特別行政区立法会の周辺に集まった「逃亡犯条例」改正案撤回を求めるデモ参加者に対する香港警察の暴力行為について深い懸念を表明する。香港政府は国際人権法に基づく集会の自由などとする権利を尊重し、デモ参加者に対する武力による強制排除を直ちに終えるべきである。

香港政府は公式に犯罪人引渡条約を結んでいなくとも、相手国が求めれば容疑者の引き渡しを認める法案を検討している。デモ参加者はこの法案で政治犯の被疑者が香港から公正な裁判、または正当な手続きが存在しない中国本土に引き渡されることに利用されるのではないかと懸念を抱いている。結果として、香港で何千人もの人が「逃亡犯条例」の改正に抗議するため、デモに参加している。

デモ参加者に対して警察の暴力的対応とみられる映像がソーシャルメディア(SNS等)を通じて広く報道された;ある映像では複数の警官が一人の男性を取り囲み、彼が地面に倒れてもなお何度も繰り返しバトンで打ち付けていた。報道機関は、警察がデモ隊に対して涙腺ガス、ゴム弾、ビーンバッグ弾を使ったと報告している。最低でも81人が病院に搬送された。

大規模な平和的デモ隊に対する警察の強制排除は、市民的および政治的権利に関する国際規約(ICCPR)に基づく香港の市民の集会、結社、表現の自由を尊重するという義務に違反する。また、これは執行官が「攻撃の重大さの割合に対応して実行」(“act in proportion to the seriousness of the offence”)し、「被害と傷害を最小限に抑える」(“minimize damage and injury”)べきである、とした法執行官による武力と武器の使用に関する基本原則 (the UN Basic Principles on the Use of Force and Firearms by Law Enforcement Officials) にも違反している。

ヒューマンライツ・ナウは香港政府に、市民がデモをする基本的人権を尊重すること、デモ隊に対する強制排除を直ちに止めること、強制排除をしている警察の責任を負うこと、被害者に救済策を提供すること、そして将来起こりうる強制排除の防止を強く要求する。