昨年ノーベル平和賞を受賞した、国際NGOの核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN、HRNはICANのメンバー団体です)の事務局長・ベアトレス・フィンさんが2018年1月13日から18日に来日しました。フィンさんは始めに被爆地である長崎・広島を訪れ、原爆資料の見学、被爆者の方や学生と交流などを行いました。東京では、国会議員との討論会、記者クラブでの会見、講演会と分刻みのスケジュールをこなし、私たちに核兵器廃絶への思いを届けてくれました。
16日午後に行われた国会議員との討論会では、与野党の代表級の国会議員、佐藤正久外務副大臣、被爆者の方々が一同に介し、核兵器廃絶のための議論を交わしました。フィン事務局長は、北朝鮮の核開発を止められなかったことに触れて「核による抑止は神話であり、逆に核開発が推進されてきた」と国際社会で語られている核抑止論を痛切に批判。そして国会議員に向けて「核兵器禁止条約は日本の未来のためでもあり、様々な懸念があると思うが、まずは条約の是非について調査してほしい」と訴えました。
夜には一般の方を対象にした講演会「核兵器は本当になくせるの?ICANに聞いてみよう!」が行われました。200名を越える参加者にフィン事務局長は、「市民は政府に『政府の核兵器に対する認識を改めてほしい』と言う権利を持っています。その声を聞かないリーダーを変える力も持っています」と私たちができる核兵器廃絶への活動を具体的に示してくれました。「日本が核兵器禁止条約に入れない原因は?」という直球な質問にフィン事務局長は、「安倍首相です」と即答し、会場から拍手が沸き起こりました。そして「皆さんが安倍首相の上司なのです。核兵器禁止条約批准を含め、皆さんが声を上げなければいけないのではないでしょうか?」と訴えました。