ミキハウストレードの委託先工場における労働環境の改善に向けた対話のご報告
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1. これまでの経緯
東京に本拠を置く国際人権NGOヒューマンライツ・ナウ(以下「ヒューマンライツ・ナウ」)は、2016年8月から調査員をミャンマーに派遣し、現地NGO Action Labour Rightsと共に、ミャンマーの縫製工場における労働環境に関する調査を行い、11月には株式会社ミキハウストレード(以下「ミキハウストレード」)に対して委託先工場の労働環境に問題があることを指摘し、その後、労働環境改善に向けた実効的な対応を求めて参りました[1]。
ミキハウストレードは、ヒューマンライツ・ナウの指摘を受けて、株式会社エナジェティックグリーン(以下「エナジェティックグリーン」)を中心とする第三者機関に調査を依頼し、2017年1月16日に第三者機関が作成した「ミャンマー委託先工場調査報告書」を公表するとともに[2]、2月15日には「株式会社ミキハウストレード調達方針」及び「ミキハウストレード サプライヤー行動規範」を公表しました[3]。これはヒューマンライツ・ナウが指摘した問題があることを認めた上で、その改善を図っていこうという姿勢を示すものと評価できます。
このたび、ミキハウストレードからヒューマンライツ・ナウに「これまでの経緯の説明と今後の対応について直接説明するための報告会を開催したい」との申し入れがあり、2月27日に都内で報告会が開催されました。
2. 2月27日の報告会について
ミキハウストレード側からは、執行役員の千田弘志氏とエナジェティックグリーン社の和田征樹共同代表取締役、垣原史歩プロジェクトリーダーが出席され、ヒューマンライツ・ナウ側からは、伊藤和子事務局長、金昌浩弁護士、國廣正弁護士(運営顧問)、五味祐子弁護士が出席しました。
報告会では、まずミキハウストレード側から、ヒューマンライツ・ナウの指摘を契機にミャンマーに限らず自社のサプライチェーン全体の労働環境の改善に向けた取り組みを開始している旨、及び、その取り組みの現状と今後の方向性について説明がなされました。
ヒューマンライツ・ナウ側からは、「ヒューマンライツ・ナウの指摘をきっかけにしてサプライチェーン問題に真摯に取り組もうとしているミキハウストレードの姿勢は評価できる」「新興国におけるサプライチェーン問題は『あってはいけない』というタテマエ論で対処するのではなく、『あること』を前提にそれを改善していくことが求められている。この問題にどのように対処していくかというミキハウストレードのこれからの対応に注目している」「本件の対応を通じて、ミキハウストレードのブランド価値をさらに高めてほしい」と伝えました。
その後、「サプライチェーンの上流の問題をどのように把握し、改善を図り、モニタリングをしていくか」等の個別論点について意見交換を行い、今後も対話を継続していくことで一致しました。
ヒューマンライツ・ナウとしては、本日の対話を第一歩として、今後も「問題解決のために必要な助力を惜しまない」姿勢で本件に関与しつつ、ミキハウストレードのこれからの対応について、期待をもって対話を継続していきます。
なお、本件の経過についても逐次報告して参ります。
以上
[1] http://hrn.or.jp/activity/9863/
[2] http://www.mikihousetrade.co.jp/news/detail.aspx?p1=850
[3] http://www.mikihousetrade.co.jp/news/detail.aspx?p1=855