安倍政権のもと「憲法改正」に向けた動きが進む中、今夏の参院選に向けて議論の必要性がますます高まっているなか、
ヒューマンライツ・ナウは、2016年4月28日に青山学院大学人権研究会と共催でトークイベント
「人権と民主主義―今、流れを変えるためには」伊藤真氏×SEALDs×三浦まり氏 　を開催致しました。

伊藤真さん、SEALDsの諏訪原健さん・高野千春さん、三浦まりさんの対談で、立憲主義、若者・市民の政治参加、表現の自由から貧困問題や高校生の政治参加まで、幅広い話題で熱く議論が交わされました。

連休前の夜の時間にも関わらず多くの皆様にご参加頂きまして、ありがとうございました。
また、今回参加できなかった方も、今後もヒューマンライツ・ナウでは様々なイベント・セミナーを開催していきますので、ぜひ次の機会にご参加いただければ幸いです。

以下、イベントに参加したインターンの報告を紹介します。

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「流れを変える」ためには

このイベントでは、安保法制に反対する学生団体のSEALDsの諏訪原健氏と高野千春氏をゲストにお呼びし、HRN理事である弁護士で伊藤塾塾長の伊藤真氏、上智大学教授の三浦まり氏とともに、人権と民主主義をめぐる日本の現状について、「流れを変える」ことをテーマに議論を展開しました。

伊藤氏が安保法制の問題点について、三浦氏が女性の市民参加について問題提起。その後、モデレーターを務めた三浦氏は、昨年夏の安保法制反対運動から4月24日に行われた北海道5区補欠選挙までを振り返り、諏訪原氏、高野氏に社会の変化をどう感じているのか尋ねました。諏訪原氏は「自分のできる形で政治参加するようになってきている」とSEALDsのデモに参加した人たちの変化を感じていました。一方、高野氏は、「流れが変わったというよりも『自分が変わって周りが変わった』」と、自分がSEALDsで活動していく中で、高野氏の家族も安保法制の廃止を求める署名を集めるようになったことを紹介しました。

流れを変えるきっかけの一つとなったと言えるSEALDs。SEALDsといえば、音楽に合わせたシュプレヒコールやメンバー一人一人が自分の言葉で語るスピーチが印象的です。そのスピーチに感動した一人である三浦氏の「どうしてスピーチをすることになったの？」と質問。諏訪原氏がスピーチをデモに取り入れることになった経緯を話してくれました。

SEALDsメンバーはデモを企画しよう決めたときに「路上で音楽をかけてデモやシュプレヒコールを上げても、気に留めてくれる人は少ないかもしれない」と考え、どうすれば自分たちを見てくれるか考えた結果、「自分たちが何を考えて行動しているか、ありのままに伝えられればいいのではないか」という話になり、表現方法としてスピーチをすることになったと言います。

「政治参加」を身近なものへ

流れが変わってきているとはいえ、それでもまだ政治に関心を持っていない人が多くいます。その人たちに関心をもってもらうためには、どうすればいいのか？伊藤氏は、文房具店でペンの試し書きができるコーナーで、「立憲主義ってなんだ?」「安保法制反対」などと試し書きをする地道な努力をしていると紹介。諏訪原氏は政治について、「『身近なものにする』をキーワードにしなければいけない」と言い、とあるスケートパークが取り壊されることをきっかけに若者が地方自治に積極的に関わるようになった話を紹介しました。高野氏も自分の体験をもとに「相手にとって身近な問題から、政治について想像してもらうことで、自分にも関係のある問題と気付いてもらうことができる」と指摘。一人でも多くの人たちに関心を持ってもらおうとする登壇者の熱意が伝わってきました。

イベントには高校生から高齢の方まで幅広い年代の方が参加され、参院選前に有意義なイベントを開催できました。より良い社会を作るために、自分には何ができるのか。もう一度、しっかり考え、行動しなければと考えさせるイベントでした。（高木あずさ）

◆◆◆イベントの写真◆◆◆