◆シンポジウム◆ 中国における人権保障の確立を考える
日時/2014年7月28日(月)
会場/明治大学 グローバルフロント ホール
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2014年5月、1989年6月4日の天安門事件から25年となる6月4日を
前に、北京市内の一般市民の住宅で内輪の勉強会を開催し、事件の
真相究明を要求していた中国の著名な人権派弁護士・浦志強氏ら
十数名の弁護士、学者、作家らのうち、5人が「騒動惹起罪」の容疑で
拘束されました。
その後、4人が保釈されましたが、浦氏だけは6月13日に最長10年の
禁固刑となる「騒動惹起罪」と、最長3年の禁固刑となる「個人情報の
不法取得罪」の容疑で正式に逮捕されました。
浦氏が、「騒動惹起罪」や「個人情報の不法取得罪」という不明瞭な
内容の容疑で逮捕されたことに対し、中国国内だけでなく、国際社会に
おいても「法治の後退だ」として落胆の声が広がっています。
現在中国では、浦氏だけでなく、高い理想と専門性をもち、積極的に
活動する少なからぬ人数の弁護士や、良心と理性をもって、豊かで
平和な未来のために尽力する活動家、ジャーナリスト、研究者などが、
「公共秩序騒乱罪」「国家転覆煽動罪」「騒動惹起罪」「国家機密漏洩罪」
などの容疑で拘束、逮捕され、有罪判決を受けています。
隣国に住む私たちは、このような中国の情勢をどのようにとらえれば
よいのでしょうか。市民社会の成長を阻止し、各分野の専門家の活動の
幅を狭めるような規制は、持続可能な発展を目指す中国にとって、
大きな足枷となると考えられます。しかし、共産党による一党体制を貫く
中国は、独自の論理を展開し、言論・思想界や人権活動に対する
引き締めを強化しています。
こうした中、私たちは中国の人々と、どのように価値観を分かち合い、
相互理解をすすめればよいのでしょうか。社会的責任を負い、人権保護の
ために行動する中国の弁護士、活動家、ジャーナリスト、研究者などが、
心身の自由を保障され、存分にその社会的使命を果たすためには、
どのような条件が必要となるのでしょうか。
本シンポジウムでは、「憲政民主」の主張が注目されている北京大学
法学院の張千帆教授をお招きし、基調講演をしていただいた後、こうした
問題について徹底的に討論いたします。
皆様のご来場を心よりお待ち申し上げます。
日 時/2014年7月28日(月) 18:00~21:00
場 所/明治大学 グローバルフロント ホール
(住所:東京都千代田区神田駿河台2-1-1F)
JR中央線・総武線、東京メトロ丸ノ内線/御茶ノ水駅 御茶ノ水橋口より徒歩3分
地下鉄千代田線/新御茶ノ水駅 B1出口より徒歩5分
都営三田線・新宿線、地下鉄半蔵門線/神保町駅 A5出口より徒歩5分
主 催/「中国における人権保障の確立を考える」シンポジウム実行委員会
共 催/北海道大学法学研究科附属高等法政教育研究センターほか
協 力/認定NPO法人ヒューマンライツ・ナウ
プログラム
<第一部>
基調講演「中国の権利保護運動および人権保障の現状と課題」
張千帆(北海道大学法学研究科教授・北京大学法学院教授)
<第二部>
討論
(1)浦志強弁護士の逮捕及びその後の状況について
阿古智子(東京大学准教授)
(2)パネルディスカッション「日中の市民に何ができるのか」
東澤 靖 明治学院大学教授
鈴木 賢 北海道大学教授
土井香苗 ヒューマンライツウォッチ日本代表、弁護士
上柳敏郎 日弁連国際人権問題委員会、弁護士
張千帆教授:プロフィール
1964年、上海生まれ。南京大学物理学部を卒業後、1984年に渡米。
1989年、カーネギーメロン大学で物理学の博士号を取得。
カリフォルニア大学で研究員を務めた後、1992年にメリーランド大学
法学院に入学し、法学を学ぶ。1995年にはテキサス大学
オースティン校に入学し、1999年に同校の政治学博士を取得した。
帰国後、南京大学で教鞭をとり、現在は、北京大学法学院、北海道
大学法学研究科教授。一貫して「憲政民主」(憲法に基づく政治と
民主の実現)を主張しているほか、戸籍制度による差別を批判し、
教育を受ける機会の平等を求める運動も展開している。