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国際シンポジウム「ジェノサイド研究と平和構築」にHRNから山本晋平弁護士が参加
2008 年1月12 日に開催された国際シンポジウム「ジェノサイド研究と平和構築」の「カンボジア・ジェノサイドを再考する」と題するセッションでは、クメール・ルージュ法廷がテーマに取り上げられ、ベン・キアナン教授(イェール大学)の基調報告のあと、野口元郎氏(カンボジア特別法廷上級審判事)、熊岡路矢氏(日本国際ボランティアセンター)、そしてHRNから山本晋平弁護士が報告・コメントをしました。
特別法廷の実現を通じて、カンボジア国民にとっての和解の促進という形での平和構築を図るという目的を共通認識としつつ、3名がそれぞれの立場から特別法廷に対するアプローチに言及。野口氏が、裁判官の立場から、「特別法廷は刑事裁判の場であるから、ジェノサイド指導者の有罪無罪の判定が直接の目的であり、平和構築はその間接的な効果としてもたらされる」と述べたのに対して、山本弁護士は、「特別法廷に被害者が参加することは、当事者が主体的に参加し回復する、という平和構築プロセスへの直接の効果をもたらすことができる」とコメントし、HRNの立場を十分にアピールしていました。シンポには、国連や外務省の職員、学生、研究者、市民運動家など幅広い経歴の人々が参加しており、クメール・ルージュ法廷に対する関心の高さがうかがわれ、HRNの取り組みをアピールするよい機会になりました。
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国際シンポジウム「ジェノサイド研究と平和構築」
日時: 2008 年 1月 12 日(土)10:30-18:00 (開場10:00)
場所:東京大学・駒場キャンパス 18 号館ホール
参加費:無料 参加申し込み:不要 日英同時通訳つき
プログラム
開会挨拶:黒木英充(東京外国語大学AA研)
趣旨説明:石田勇治(東京大学)
セッション1 カンボジア・ジェノサイドを再考する 10:30~
司会:佐藤安信(東京大学)
基調報告
①ベン・キアナン(イェール大学)「裁判と向き合うクメール・ルージュ」
報告
②野口元郎(外務省)「カンボジア特別法廷の課題と展望」
コメント
①熊岡路矢(日本国際ボランティアセンター)
②山本晋平(弁護士/ヒューマンライツ・ナウ)
昼休み 13:00~14:30
セッション2 脱ジェノサイド社会をめざして-ジェノサイド研究からの提言 14:30~
司会:石田勇治
報告①川喜田敦子(東京大学) ヨーロッパの経験から
報告②清水明子(東京大学) バルカンの経験から
報告③吉村貴之(東京大学) コーカサスの経験から
報告④狐崎知己(専修大学) ラテンアメリカの経験から
報告⑤兼清順子(立命館大学) ミュージアム学の観点から
報告⑥福永美和子(東京大学・日本学術振興会) 国際司法・国内司法の観点から
セッション3 総括討論 16:30~
司会:石田勇治
コメント
①黒木英充
②中村雄祐(東京大学)
③佐藤安信
閉会挨拶 古矢旬(東京大学)
主催:日本学術振興会
「人文・社会科学振興プロジェクト研究事業」領域Ⅱ「平和構築」3グループ
「地域研究による『人間の安全保障学』の構築」、「ジェノサイド研究の展開」、「アメリカ研究の再編」
共催:東京大学ドイツ・ヨーロッパ研究センター(DESK)
後援:国際研究型大学連合(IARU)・東大WG、平和構築研究会