【報告書】ミャンマー(ビルマ)の人権状況と民主化への道~サフラン革命から半年、2008年2月タイ・ミャンマー(ビルマ)国境事実調査

ミャンマー(ビルマ)の人権状況と民主化への道
サフラン革命から半年~2008 年2月タイ・ミャンマー(ビルマ)国境事実調査報告書を発表しました

2007年9月、ミャンマー(ビルマ)において僧侶らを中心とする民主化運動が高揚し、世界で報道されたが、ミャンマー(ビルマ)軍事政権(SPDC)によって武力弾圧された。

ヒューマンライツ・ナウ(Human Rights Now)は、2008年2月、この武力弾圧とその後の人権抑圧の状況について調査するため、タイ・ミャンマー(ビルマ)国境、タイ国タク県メイソットに調査団を派遣した。

調査団は、9月の抗議デモに参加した僧侶、市民計十数名から事情聴取をおこなった。彼らはいずれも昨年9月の民主化デモへの参加を理由に軍事政権の治安当局から逮捕される危険にさらされ、国内からタイに避難せざるをえなかった人々である。証言からは、武力弾圧に際し、著しい人権侵害が発生したことが明らかになった。また、調査団は、調査中の2008年2月に軍事政権が発表した新憲法草案、および総選挙に関する実情についても、民主化勢力との懇談と独自の調査によって状況を把握した。
本調査報告書は、調査団の独自調査に、報道、国連特別報告者の報告書、国際人権団体の報告書等の分析もあわせ、現在のミャンマー(ビルマ)を取り巻く状況、とりわけ現在のミャンマー(ビルマ)の人権と民主化をめぐる状況について、多くの方に知っていだたくことを目的として作成・発表するものである。

調査報告書全文(PDF)はこちら>>08burma.pdf

★現地調査の概要
ヒューマンライツ・ナウ調査団は、2008年2 月8日より14日まで、昨年9月に民主化運動が武力弾圧された、ミャンマー(ビルマ)の人権状況を調査するため、タイ・ミャンマー(ビルマ)国境メイソットに滞在し、調査をおこなった。(調査団は、4名の弁護士、1名のジャーナリストからなり、2/12-14は今野東議員が参加され、複数のメディアが同行取材をした)。
2/8   UNHCR 訪問
2/9  Processing Center; Burma Women’s Union1訪問
2/10-12 NLDLA(NLD2の海外組織) オフィスにて、僧侶、市民からの聞き取り。
2/12 ミャンマー(ビルマ)入国、ビルマ法律家協会訪問、AAPP(政治囚支援協会)4訪問、NLDLA との懇談
2/13 メラ難民キャンプ訪問、 亡命政府とされるNCGUB など、民主化団体と懇談
2/14 1990年に選出された国会議員の会議に参加。また、これに先立ち、2007年9月にもヒューマンライツ・ナウの弁護士3名がAAPP、ビルマ法律家協会、女性団体等を訪問した。

メイソットは、川1つ隔ててミャンマー(ビルマ)に接する国境の町であり、ミャンマー(ビルマ)より多数の難民、移民が移り住み、民主化活動家、人権活動家らもオフィスを構えて活発な活動を展開しているため、人権状況に関する第一次情報を得られることから調査を行うこととした。