【世界の人権・中国】2009/07/07 国連人権担当トップ、中国西部での「大惨事」について懸念

200977日午前10:00 ニューヨーク)

 本日、国連の人権担当官トップは、中国の新疆ウイグル自治区の首府ウルムチにおける先週末の暴動の間に生じた犠牲者の数の多さに懸念を表明し、全ての人々に対し、「大惨事」の後に続く現時点において自制を示すよう求めた。

 

 中国政府によって昨日公表された数字によれば、日曜日の衝突の間に150人以上の人々が殺害され、さらに800人が負傷したという。

 

 「これは、丸1日に満たない暴動において殺害され負傷される人の人数としては異常に多い数である。」と、人権高等弁務官ナヴィ・ピレイ氏は述べた。

 

暴力に拍車がかかった正確な状況は不明であるものの、ウイグル民族と漢民族の間で長く続いてきた緊張関係が、主要な役割を果たしたと言われている。日曜日のデモ行動は、先月末に起きた広東州のおもちゃ工場における両民族の衝突が原因であることを、現地からの報告は示唆している。

 

「私は、ウイグル民族、漢民族の市民指導者に対して、また、すべての階層の政府当局に対して、さらなる暴力や人命喪失を引き起こさないよう大きな自制を働かせることを要請する。」とピレイ氏は述べた。

 

彼女はまた、デモ行動参加者がその「表現の自由」を平和的に行使する権利を認める必要性を強調した。

 

「私は、当局が、治安を維持するという基本的な任務を有していることを完全に認める。」と高等弁務官は述べた。「しかしながら、当局は、命を守るため厳密にみて不可避である場合に限って、致死的な武器を使用することが肝要である。」

 

事務総長の潘基文(パン・ギムン)は、意見の違いは、いかなる国においても、対話を通して平和的に解決されなければならない、と昨日ジュネーブで述べた。また、関係政府は、一般市民の命と安全を守るために、細心の注意を払い、かつ、必要な措置を取らなければならない、と彼は述べた。

 

さらに、本日、ピレイ氏は、逮捕者を適切に扱う必要があると述べ、「中国自身の法律と、国際的な人権基準及び規範に完全に合致した適正手続による扱いが逮捕者に認められるべきだ」と付け加えた。

 

彼女は、暴動の原因と、それが激化した理由について、透明で中立的な調査をするよう求めた。「信頼を生むためには、そのようなプロセスが必要不可欠である。」と彼女は強調した。「さもなければ、反感、不安、暴力的な反発、それへの暴力的対抗措置といった長引く悪循環を招く危険がある。」

 

“UN HUMAN RIGHTS CHIEF ALARMED BY ‘MAJOR TRAGEDY’ IN WESTERN CHINA

http://www.un.org/apps/news/story.asp?NewsID=31381&Cr=Pillay&Cr1