【世界の人権・DPRK】2007/10/26 国連報告者:朝鮮民主主義人民共和国は今なお基本的人権を制限している

(2007年10月26日)

 朝鮮民主主義人民共和国(以下、「北朝鮮」と略す)を担当する国連人権専門家によると、同国は諸外国と関わる建設的な動きをいくらか見せているが、いまだ統制国家、非民主的国家であり、基本的自由が制限され、深刻な食糧不足が蔓延している状況にある。

 北朝鮮の人権状況に関する特別報告者ヴィティット・ムンタボーンは、国連総会の社会・人道・文化(第3)委員会において、近年一連の立法面の改善があったにも関わらず、この北アジアの国では政府が国民を抑圧していると報告した。

 「継続して、拷問などの暴力、公開処刑、政治的に違う意見を持つ者の迫害、低水準の収容所環境などが報告されている。」と同氏は委員会での声明で述べ、再教育キャンプと強制労働プログラムの存在についても、付け加えた。

 「この国の閉鎖的な性質と、情報流通やメディアに対する厳しい国家統制のために、表現の自由、集会の自由、情報へのアクセスは阻害されている。政府当局は宗教の自由を認めていると主張しているが、事実はその反対であると伝えられている。実際、ここで自由化とされたものは、おおむね金銭的魅力が原因だ。」

 ムンタボーン教授は、北朝鮮担当の特別報告者になってから、同国訪問を許可されていない。しかし、現地で展開する国連スタッフとの面会、近隣国への訪問、NGOとの議論、難民へのインタビューといった手段を通じて、状況を把握してきた、と述べる。

 北朝鮮政府は現在いくつかの人権条約の加盟国になっており、最近、国連子どもの権利委員会の訪問を許可しており、他方で、朝鮮半島の非核化についての6ヶ国協議でも進展を見せ、南北朝鮮トップ対談も今月実現させた。これらのことは、前向きの出来事であると、同氏は述べた。

 しかし、軍部を含む支配階層に、相変わらず資源が偏って分配されており、予算の歪みを生んで、その他の人々には欠乏と貧窮がもたらされている。

 この状況は、自然災害と、過去10年間の政策運営の失敗と相まって、悪化している、と同氏は述べる。最近ではこの8月に、凄まじい洪水がこの国を襲い、特に南部の米や穀物の産地が被害を受けた。

 来年にかけて深刻な食糧不足が北朝鮮国内で起きるであろうと、同氏は委員会の後、記者らに語った。

 市民社会からは、北朝鮮政府幹部に対して、国家当局による最悪の人権侵害について個人的な責任を問う声が高まり、いくつかのグループは、これまで為されてきたことは、人道に対する罪にあたる可能性があると主張していると、ムンタボーン教授は述べた。

 「このようなアドボカシーが勢いを如何に獲得していくか、見極めねばならない。」と特別報告者は語った。

 同氏は、人道的救済へのアクセスを増やすこと、国際人権法の義務を果たすこと、女性・子どもなど弱者を特に保護すること、収容所システムを改革すること、法の支配と適正手続きを促進すること、許可なく国外に出た者を罰しない政策を明確化することを、北朝鮮政府に求めた。

“DPR Korea still restricting basic human rights, says UN monitor”
http://www.un.org/apps/news/story.asp?NewsID=24444&Cr=DPRK&Cr1=