【世界の人権・ミャンマー(*)】2007/09/10 国連人権高等弁務官が平和的デモ参加者の釈放を要請

(*)HRNでは基本的には「ビルマ」の呼称を使用しつつ、国連ニュースや国連関係文書の翻訳・紹介の際には、原文の用法に従い「ミャンマー」と表記しています。

 

(2007年9月10日)

 ミャンマーで平和的デモ参加者が拘束されたのを受け、国連人権高等弁務官ルイーズ・アルブール氏は、懸念を強めていることを表明するとともに、拘束者を即刻解放するよう、同国政府に要請した。

 先週金曜日(7日)、声明の中でアルブール氏は、反対者を抑圧するのでなく、表現の自由と集会の自由を守り、ミャンマーの市民社会と協調するよう、ミャンマー政府に求めた。「人々がオープンに平和的に意見を述べられる場がなければ、ミャンマーの政治的移行に進展は期待できない。」とも述べた。 (http://www.unog.ch/80256EDD006B9C2E/(httpNewsByYear_en)/06FF12353C04CA24C125735200319DF0?OpenDocument)

 8月19日に、燃料値上げに抗議する市民が声を上げてから、150人以上が逮捕されている。僧侶を含む抗議者に対して、「国家当局」が暴力をもって対応したことに、同氏は落胆していると述べた。

 「デモ参加者の主張に関して彼らと協議と対話を進める」ように、高等弁務官は先月末、当局に伝えた。

 同氏は、表現の自由と集会の自由は「人権の試金石である」ことを強調し、市民が自由に意見や不満を述べる場が広がることが、この東南アジアの国で、民主的移行と和解への道をうながすために不可欠だと言う。

 潘基文事務総長のミャンマー特別顧問イブラヒム・ガンバリ氏は、先週の記者会見において、抗議運動に対する政府の対応を「ミャンマーにとって後退」であると述べた。
http://www.un.org/News/briefings/docs/2007/070905_Gambari.doc.htm

 政府の対応は、「非常に遺憾であり、民主化と国民的和解に向かうという政府が表明してきた約束を疑わせることになるものだ。さらに、現在、同国内は、政治問題、人権問題から人道的、社会経済的な問題にいたるまで、多くの差し迫る危機に瀕し、これに対応するには国際的な援助が必要であると私たちは強く思っているのに、今回の政府の対応は、諸外国がミャンマー政府と協調し、支援を維持するのを、困難にしている。」と同氏は述べた。

“Myanmar: UN Human rights chief calls for release of peaceful demonstrators” http://www.un.org/apps/news/story.asp?NewsID=23751&Cr=myanmar&Cr1=