【世界の人権・ミャンマー(*)】2007/04/02 「ミャンマーはイスラム系少数民族に対する差別を解決するべきである」と国連専門家が声明

(*)HRNでは基本的には「ビルマ」の呼称を使用しつつ、国連ニュースや国連関係文書の翻訳・紹介の際には、原文の用法に従い「ミャンマー」と表記しています。

 

(2007年4月2日)

国連人権専門家のグループが今日ミャンマー政府に対して、同国北ラカイン州に住むイスラム教徒少数民族に対する差別を解決するよう求めた。
 6人の独立人権専門家による共同声明によると、ミャンマー市民権法(1982年)は、ロヒンギャ(Rohingya)として通例知られている北ラカイン州のイスラム教徒少数民族に対してミャンマー市民権を否定している。
 今回の声明によれば、そのため、「彼らの市民的、政治的、経済的、社会的、文化的権利の十全な行使が抑制され、さまざまな差別的慣習が生じている。」差別的慣習として、例えば移動の自由の著しい制限、種々の形式のゆすり行為や恣意的な課税、土地没収と強制立ち退き、医療、食糧、適切な住居へのアクセス制限、強制労働、結婚の制限などが列挙されている。
http://www.unhchr.ch/huricane/huricane.nsf/view01/F0ED9448671A73E6C12572B100553470?opendocument
 「その結果、数千人が隣国に逃げており、この地域に複雑な人道的状況が生じている。」と専門家たちは述べ、北ラカイン州のイスラム教徒少数民族に対する差別的慣習を撤廃させ、この地域の人々に対する差別がこれ以上起きないようにする対策を、早急にとるようミャンマー政府に要求した。
 「ミャンマー政府は、同国の領土内にいて、同国の管轄が及んでいるすべての個人を、あらゆる形態の差別から守る義務があることを、想起されたい。」専門家グループはこう述べた。
 (この声明は、)ミャンマー政府に対して、同国の法律を国際人権義務に一致したものにするために、市民権法(1982年)を廃止または改正するよう勧告している。
 声明に加わった専門家は以下の6人である。
 ・ミャンマーにおける人権状況の特別報告者、パウロ・セルジオ・ピニェイロ氏
 ・少数民族問題の独立専門家、ゲイ・マクドゥーガル氏
 ・現代的形態の人種主義、人種差別、外国人嫌悪、関連する不寛容に関する特別報告者、ドゥドゥ・ディエン氏
 ・適切な住居についての特別報告者、ミルーン・コタリ氏
 ・食糧の権利についての特別報告者、ジーン・ジグラー氏
 ・すべての者が到達可能な最高水準の身体及び精神の健康を享受する権利に関する特別報告者、ポール・ハント氏

(出典) “Myanmar should address discrimination against Muslim minorities ? UN experts”
http://www.un.org/apps/news/story.asp?NewsID=22100&Cr=myanmar&Cr1