(2010年5月17日)
韓国において、裁判所が現行法の解釈と実施についてより制限的になっているため、人権、特に言論と表現の自由の権利に対する十分な尊重が損なわれている、と国連の独立専門家は述べた。
言論と表現の自由の権利の促進と保護に関する特別報告者であるフランク・ラ・ルエ氏は、韓国への公式訪問に続いて本日出された声明の中で、「韓国が国際的なリーダーとなるためには、人権を十分に尊重する、真に民主主義的な統治モデルとなる責任を果たすことを示さなければならない」と述べた。
韓国の裁判所は、特に1987年の多党政治制の回復以来、表現の自由の権利を擁護する上で重要な役割を果たしてきた。しかし、「裁判所の判決の結果にかかわらず、起訴数の増加が、表現の自由の権利行使に対する萎縮効果を生み出している」と同氏は述べた。
12日間の韓国訪問後の報告において、ラ・ルエ氏は懸念される主な6つの点を指摘した。それは、インターネットにおける表現の自由、集会の自由、選挙前の表現の自由、国家保安法、公共放送、韓国国家人権委員会、公務員の言論と表現の自由の権利の規則に関する制約を含む。
彼の具体的な勧告の中で、同氏は、政府に対し、名誉棄損罪を刑法から廃止し、批判に関し寛容な文化を促進するよう強く求めた。
彼は、教師を含む公務員が、個人的に、また、集団的に意見を表明する権利にも注意を払い、「多様性と多元主義の原則はどんな公共放送のシステムにも不可欠である」と強調した。
特別報告者は来年、今回の訪問に関する最終報告書をジュネーヴの人権理事会に提出する。
ラ・ルエ氏は、李明博大統領、鄭雲燦首相や大臣らに面会できなかったことに「深く失望している」が、それにもかかわらず、報告書はまとめると述べた。
ラ・ルエ氏は、「私は韓国に公式な招待によって訪問しており、また、私の要請にもかかわらず、私は検事総長や国家情報院のメンバーと面会することはできなかった」と述べた。ラ・ルエ氏は国家人権委員会のメンバーと集団的に面会することもできなかった。
ラ・ルエ氏は、政府と建設的かつオープンな関係を続けることを望む、と付け加えながら、「人権は政治的なイデオロギーを超えるものであり、その尊重は韓国の全ての個人の共通の希望となるべきだ」と述べた。
“UN expert warns of increasing restrictions on free speech in
http://www.un.org/apps/news/story.asp?NewsID=34721&Cr=repubilc+of+korea&Cr1