国連によって制定された11月20日の「世界子どもの日」に際し、ヒューマンライツ・ナウ(HRN)では「世界子どもの日キャンペーン」を実施いたしました。キャンペーン中に実施したイベントの内HRN主催イベントについてご報告いたします。
世界子どもの日キャンペーン概要
■ 第9回世界子どもの日人権映像コンテスト
募集期間:2023年8月28日(月)〜11月12日(日)※11月24日(金)まで延長
■ 世界子どもの日チャリティウォーク2023
開催日:2023年11月11日(土)
■ 第6回世界子どもの日ユースフェスティバル ※当団体は後援
開催日:2023年11月23日(木・祝)
第9回世界子どもの日人権映像コンテスト
人権映像コンテストでは、小学生から18歳以下のユースの皆さんに、人権問題や社会問題に対する自分の考えを語った映像をご応募いただき、4名の審査委員により審査を行いました。
昨年度に引き続き、全てのプロセスをオンラインで実施しました。
本年から言語の制限をなくし、英語・日本語以外での応募も可能としました。(日本語・英語以外での応募の場合は日本語または英語の字幕を必須としました。)スピーチ部門7組、動画部門15組と史上最多ともいえる作品数をご応募いただきました。中高生のなかで人権などの問題への関心が高まっていることが見受けられました。一つ一つの作品のクオリティも高く、とても充実したコンテストになりました。
審査結果
厳しい選考を経て、下記9組が入賞しました。
<スピーチ部門>
最優秀賞 こころさん(仮名)
「ゴールデンルールを社会に、人権をあなたにThe Golden rule for society,human rights for you.」
優秀賞 清水美陽さん(私立渋谷幕張高等学校)
審査員奨励賞 飯山怜央さん(私立灘高等学校)
「differences are bridges of mutual understanding」
<動画部門>
最優秀賞 石川結子さん(私立立教女学院高等学校)
優秀賞 (匿名)
審査員奨励賞 (匿名)
佳作(匿名)
佳作 風間咲希さん(私立新渡戸文化高等学校)
「こどもの権利条約」
佳作 (匿名)
審査の講評などはこちらのページからご確認いただけます
▷https://hrn.or.jp/speech/y_2023
世界子どもの日チャリティウォーク2023
チャリティウォークでは、昨年に比べ、多くの参加者・当日ボランティアが集まり、活気のあるイベントとなりました。本年のゲストとして、昨年に引き続きミャンマー出身の大槻さんにお越しいただき、閉会式の際にミャンマーでの紛争下の子どもたちの様子についてご講演いただきました。また、ウクライナ出身のイーゴルさんにもゲストとしてご参加いただき、ウクライナ大使館前で解説をしていただきました。そして閉会式では、ウクライナの子どもたちの状況や、日本へ避難してきた子どもたちの様子についてご講演いただきました。
開催概要
実施日時:2023年11月11日(土)9:30~13:30
場所:聖心女子大学、広尾周辺
大会主旨:「世界子どもの日」と世界の子どもを取り巻く状況を多くの方々に知っていただき、スポーツを通して人権問題を身近に感じていただくことを目的としています。イベントの収益は、ヒューマンライツ・ナウが行う世界の子どもの権利保護に関する活動に活用されます。
参加費:大人3,500円、大学生2,500円、中高生500円、小学生以下 無料
参加者:大人 24人、大学生 4人、小学生以下 7人
ゲスト:閉会式にて講演をしていただきました。
- イーゴルさん(ウクライナ日本友好協会NPOクラヤヌィ 副理事長)
ウクライナ国内の現状や、ウクライナ日本友好協会NPOクラヤヌィの活動紹介として、現地に建設したシェルターについて解説いただきました。子どもたちがシェルターを怖い場所だという認識を固定しないため、壁に絵画をペイントしたり、ウサギを飼う小屋を作るなど、日常生活でもシェルターに出入りし慣れるための工夫を施したそうです。
また、日本へ避難してきた子どもたちへの接し方への注意点もご紹介いただきました。日本でウクライナの伝統的なクリスマス会を開催した際には、クラッカーの音が銃声を連想させてしまい、子どもたちが泣いてしまったそうです。また、本人たちの意思を無視した形で、在日ウクライナ人と在日ロシア人の子どもたちの交流の場を設けることも、本人たちにとってとても大きなストレスになるとのこと。
現地へ赴いて活動することが難しい私たちも、このように日本国内の活動において気を付けなければならないことがたくさんあるということを学ぶことができました。
- 大槻美咲さん(ミャンマーの平和を創る会 共同代表)
ウクライナの紛争に比べ、日本へ情報が入りにくいミャンマーの紛争についてご講演いただきました。日本へ情報が入りにくい理由として、国内で起こっている紛争であること、また世論は新しいニュース(ウクライナやガザの紛争など)に目移りをしていくことが挙げられます。
ミャンマーの平和を創る会では、主にミャンマーとタイの国境沿いにおいて、ミャンマーから逃げてきた人々に対する活動を行っているそうです。投影してくださった動画の中では、多くの子どもたちがみんなで祈るように歌を歌っていました。その子供たちの中には、親や家族を目の前で殺されてしまったなど、壮絶な体験をした子どもたちもいるそうです。
大槻さんのメッセージとして「忘れないでほしい」という言葉がとても印象に残りました。世界各地で様々な人権問題や紛争が発生し、緊急に取り組むべき問題が増えていく中で、新しい問題が発生したら、その前の問題が解決するわけではありません。全ての問題に目を向け、行動を起こしていくことは難しいですが、「忘れないこと」は私たち一人ひとりにもできることだと学ぶことができました。
共催:聖心女子大学グローバル共生研究所
後援:デンマーク王国大使館、駐日ノルウェー王国大使館
特設ページ:https://hrn.or.jp/walk_2023/
スケジュール:
09:30 受付開始
10:00 開会式
10:30 スタート
12:30 ゴール~閉会式
13:30 閉会式終了
参加者からの感想(一部抜粋):
・大使館めぐり楽しかったです。
・あまり行ったことのない場所を歩くことができ、楽しかったです。 他の参加者やスタッフの方と話をすることができたのも良かったです。話しかけてくださった方、ありがとうございます。
・ウクライナやミャンマーのリアルなお話を聞くことができ改めて考える良い機会になりました
・実際に戦争の当事国出身の方の話を直接聴くことは普段殆ど無いので、貴重な話を聴けてよかったです。 自身が日常的に接している情報にはない言葉を聴くことができたと思います。
コース図:
キャンペーン全体へのご協賛(一部):
<ゴールドスポンサー>
株式会社法学館・伊藤塾
国広総合法律事務所
スキャデン・アープス外国法事務弁護士事務所
西村あさひ法律事務所・外国法共同事業
弁護士法人・響
日比谷パーク法律事務所
<シルバースポンサー>
鳥飼総合法律事務所
<協賛>
さくら共同法律事務所
ちひろ美術館・東京
ナショナル麻布