【声明】防衛省によるイスラエル製小型攻撃用ドローン輸入に反対する声明

ヒューマンライツ・ナウは、防衛省によるイスラエル製小型攻撃ドローンの輸入に反対し、日本政府に対して、今後、IAIを含むイスラエル軍需企業との一切の取引及びその検討の中止を求める声明を公表しました。

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防衛省によるイスラエル製小型攻撃用ドローン輸入に反対する声明

国際人権NGOヒューマンライツ・ナウ

1 防衛省は、2025年度予算 より、小型攻撃用ドローン310式の取得費の予算として、32億円を計上した。これには、2023年、防衛省が「攻撃に用いる飛翔タイプの小型無人プラットフォーム等に関する情報・提案要求書」 において、遅くとも2026年度までの装備化が望ましいとした、小型攻撃用ドローンのⅠ型が含まれる。また、2026年度予算からは、同Ⅱ型及びⅢ型の導入についても重点ポイントとして具体化された 。
これを受け、外務省は今週にも小型攻撃用ドローンⅠ型の一般競争入札を行うとしており、実戦においてその機能が「実証済み」とされる入札の候補機には、イスラエルの軍需企業であるイスラエル・エアロスペース・インダストリーズ社(IAI)製の「ROTEM L」と「Point Blank」が含まれている。

2 ガザ保健当局によれば、2023年10月7日以降始まったイスラエルによるパレスチナ自治区ガザ地区に対する大規模侵攻・攻撃によって、ガザにおける死者数は7万2061人にのぼり(2026年2月16日現在)、また、2025年10月のイスラエル・ハマース間における停戦発効後の死者数は600人を超えている。
国連事実調査団は、同年9月に公表した調査報告書において、イスラエルによるガザ攻撃が「ジェノサイド」に該当すると認定している 。その行為の筆頭に掲げられたのは、ガザ地区の人口密集地域におけるパレスチナ人が存在する民間施設への組織的かつ広範な攻撃であり、調査団は「用いられた戦争手法と兵器の種類は、ガザ地区のパレスチナ人に多数の死傷者(死者を含む)を意図的に引き起こす一貫したパターンを示している。殺害された者の50%以上が女性、子ども、高齢者であった点は重要であり、これはイスラエル治安部隊が意図的にパレスチナ民間人を標的としたことを示している」と指摘する。

国連のパレスチナ被占領地域に関する特別報告者であるフランチェスカ・アルバネーゼは、2025年7月2日付のパレスチナ地域における人権に関する国連特別報告者報告書において、IAIを含むイスラエル軍需企業が開発するドローンが、ガザ上空における「殺戮マシン」と化しており、また、イスラエルのパレスチナ自治区に対する長期間にわたる占領及び軍事作戦が、ドローン技術を含めた最先端軍事技術の実験場となってきたと指摘した 。また、同年10月20日付の報告書においては、国際諸国に対し、イスラエルとのすべての軍事・貿易・外交関係を停止すること、ジェノサイド、扇動、人道に対する犯罪、戦争犯罪、その他の国際人道法の重大違反に関与またはこれを助長したすべての公務員、企業、個人を捜査・訴追すること等を要請した 。
また、アムネスティ・インターナショナルは、提言書 において、IAIを含むイスラエル軍需企業3社について、イスラエルによるパレスチナ被占領地域における国際法に違反する占領及びアパルトヘイト、そしてガザにおけるパレスチナ人に対するジェノサイドの維持に加担していると認定している。

3 このように、イスラエル軍需企業が、イスラエル政府と一体となってジェノサイド犯罪や長年にわたるイスラエルによるパレスチナ被占領地域に対する占領政策に加担していることは明らかである。すなわち、先に述べた、今般の一般入札の候補であるIAI製の小型攻撃用ドローンの性能を「実証」したのは、何万人にものぼるパレスチナ人民の殺害及び国際法に違反する占領政策の長年にわたる継続という事実である。
日本政府は、イスラエルによるジェノサイド開始以降、製造企業は明らかにしていないものの、イスラエル製装備品を複数回にわたって購入しており、その額は241億円を超えると報道されている 。日本がジェノサイド犯罪に加担するIAIの開発する小型攻撃用ドローンを購入するとなれば、日本がイスラエルによるジェノサイド犯罪を容認し、加担しているとの更なる国際的非難は免れ得ない。そして、今回の一般競争入札において、IAI製の小型攻撃用ドローンⅠ型が採用されるとなれば、今後、同Ⅱ型及びⅢ型の購入にも結び付く実績となりかねない。
日本は国連人権理事会が採択した「ビジネスと人権に関する指導原則」を支持し、2023年4月には、「公共調達における人権配慮」を決定、この度改定された国別行動計画(NAP)には、この取組を全省庁において継続することが明記されている(第2章6)。防衛装備庁は、「装備品等及び役務の調達における人権配慮の取組について」(2023年)において、装備品等の調達における国際人権憲章等によって国際的に認められた人権の尊重を通知していた。人権侵害に公然と加担するイスラエル企業から装備品を購入することは、日本政府の従前の態度と一貫せず、矛盾するとも評価し得るものである。
当団体は、防衛省によるイスラエル製小型攻撃ドローンの輸入に反対し、日本政府に対して、今後、IAIを含むイスラエル軍需企業との一切の取引及びその検討の中止を求める。なお、2月17日の入札ではイスラエル製ドローンは採用されなかったが、来年度以降の入札も含め、今後一切イスラエル軍需企業との経済的取引を行わないことを求める次第である。

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