ヒューマンライツ・ナウは、国際司法裁判所の修正仮保全措置命令の更新やガザの情勢を受け、声明を公表しました。

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ヒューマンライツ・ナウは国際司法裁判所の修正仮保全措置命令を歓迎するとともに、修正措置命令が必要になった状況を深く憂慮し、イスラエルに対して命令の遵守を求める。ヒューマンライツ・ナウはまた、日本政府と国際社会に対し、改めてガザでの即時停戦実現と人道状況改善に向けた具体的行動を求める。

2024年3月28日、国際司法裁判所（ICJ）は、イスラエルに対し、集団殺害犯罪（ジェノサイド）を防ぐための仮保全命令を更新し、より明確な措置を求めるよう修正命令を出しました¹。この命令では、2024年1月26日の仮保全措置命令²を再確認した上で、新たにさらに具体的な仮保全措置を命じています。この命令では「ガザのパレスチナ人の生活条件の悪化、特に飢饉と飢餓の広がりに鑑み」、ジェノサイド条約上の義務のもとで、イスラエルに以下を求めています。

• 国連と全面的に協力し、ガザ全域のパレスチナ人に、生活に必須の物資とサービスを必要な規模で直ちに妨害なく提供するために必要かつ有効な全ての手だてをとること。陸路検問所のキャパシティと数を増やし、検問所を必要な限り開いておくことも含まれます。

• ジェノサイド条約において保護される集団であるガザのパレスチナ人のいかなる権利についても、それに対する侵害に相当する行為をイスラエル軍が犯さないことを、直ちに実効性を有するかたちで確保すること。権利侵害行為には、人道支援の妨害も含まれます。

ヒューマンライツ・ナウは、ICJによる以上の修正措置命令を歓迎するとともに、イスラエルが1月26日の措置命令を守らなかったためにガザの状況が深刻化し人道的な破局がもたらされたことに深い憂慮を表明します。

【背景情報】

2024年1月26日、国際司法裁判所（ICJ）は、イスラエルに対し、集団殺害犯罪（ジェノサイド）を防ぐための仮保全命令を出しました。ヒューマンライツ・ナウはこの命令を歓迎するとともに、イスラエルに命令を遵守することを求め、日本政府と国際社会に即時の停戦とジェノサイドの予防を実現するよう求める声明を発表しました³。

イスラエルはその後もこの命令に反し、ジェノサイドを構成しうる行動を続けてきました。

民間人の殺害、病院の攻撃、支援物資搬入を認めないことによる飢餓など、ガザ地区のパレスチナ人が置かれた人道的状況は悪化するばかりです。2024年3月28日の時点で、10月27日以来ガザ地区で殺された人々は少なくとも3万2552人、うち1万3000以上が子どもで、8400人が女性、負傷者は7万4980人を超え、うち少なくとも8663人が子ども、6327人が女性で、8000人以上の行方が確認されていません。ユニセフは、3月15日、ガザ北部で2歳未満の乳幼児のうち3人に1人が急性栄養失調状態にあり、1月と比べて倍増していると発表しています。

イスラエルは義務を尊重しなくてはならず、国際社会は行動を起こさなくてはならない

ヒューマンライツ・ナウは、イスラエルに対し、直ちに命令の遵守を求めると同時に、日本政府と国際社会に対し、ガザにおける即時停戦と破滅的人道状況の改善を実現するために、イスラエルへの経済的・外交的制裁を含む具体的な行動をとるよう求めます。

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¹　ICJのリリース：https://www.icj-cij.org/sites/default/files/case-related/192/192-20240328-pre-01-00-en.pdf
命令本文：https://www.icj-cij.org/sites/default/files/case-related/192/192-20240328-ord-01-00-en.pdf

²　https://www.icj-cij.org/sites/default/files/case-related/192/192-20240126-ord-01-00-en.pdf

³　https://hrn.or.jp/news/25183/

⁴　https://www.aljazeera.com/news/longform/2023/10/9/israel-hamas-war-in-maps-and-charts-live-tracker

⁵　https://www.unicef.org/press-releases/acute-malnutrition-has-doubled-one-month-north-gaza-strip-unicef