【イベント報告】ユースフェスティバルでの英会話講座「気候変動×人権」

ヒューマンライツ・ナウ 英会話講座 「気候変動×人権」

ワークショップ

 

2019年11月16日に法政大学で行われた「世界子どもの日ユースフェスティバル」。11月20日の「世界子どもの日」に合わせた参加型のイベントです。今年から高校生と教員を中心としたユースフェスティバル運営委員会が主催で行われ、ブース出展やワークショップ、トークショーなどを開催しました。

ヒューマンライツ・ナウはワークショップとしてスタッフで弁護士でもあるケイド・モズリーによる英会話講座「気候変動×人権」を行いました。

 

気候変動の影響は一つに留まらず、洪水や嵐のように急で短期的なものから、海面上昇や氷河が溶けるなど長期的で永久的なものまで数多くの地域に様々な被害を与えるということについて話しました。特に、一つの変化が他のものと組み合わさることで問題が悪化します。例を挙げると、気候変動により砂漠化は進み、その地で農作物を育てることは難しくなります。それにより農家は川からより多くの水を汲み上げます。しかしそれと同時に温暖化が氷河を溶かし、川に流れ込みます。水の需要の増大が地域で紛争が起きる原因となることもあります。

 

それから気候変動による社会的、経済的な悪影響についても話し合われました。農村部に住む農家は仕事を求めて都会に行くことを強いられる可能性があり、これは大量失業と都会への人の大量移動を引き起こすことにつながります。それと同時に経済は悪化し、仕事を見つけることをより困難にします。都市の多くは沿岸部や川の近くに建てられていることが多く、川の近くの住宅や貧困層の住む低い土地が強い嵐や洪水の被害を受けることになります。

 

気候変動の重要な点は脆弱性の高い人たちが最も被害を受けるということです。熱帯地方や島国、途上国など最も貧しい国々が社会的な被害を受けます。その一方でアメリカ、イギリス、日本などの豊かな国は歴史的に気候変動を引き起こす排出ガスの原因に大きく寄与してきました。これは気候変動を、先進国はガスを排出することにより利益を得たにも拘わらず、その被害を受けているのは途上国であることから被害に対し、償う責任があるという公平性の問題にします。

 

しかし、豊かな国は気候変動を防ぐための必要な対策や途上国を助けることに対して消極的な態度を取り続けています。これが最も脆弱性の高い人たちが被害から守られていないという現在の危機につながり、環境問題だけでなく、人権問題になります。参加者たちはこの講義を通じて気候変動がどのように人権に影響を及ぼすのか、そしてなぜ早急な対処が必要なのかという認識が強まったようです。