2015年3月9日にヒューマンライツ・ナウはニューヨーク国連本部にてCSW(国連女性の地位委員会)パラレルイベントを開催いたします。
イベントのタイトルは「慰安婦問題の真実と正義~第二次大戦時の日本軍性奴隷」です。
今年の3月9日から20日まで、北京女性会議から20年を記念した北京+20の国連女性の地位委員会(CSW)がニューヨークで開催されます。NGOはこのCSW期間中にNGOフォーラムを開催。ヒューマンライツ・ナウはその初日に市民団体と共催し、このパラレルイベントを開催します。
【イベントの目的】
第二次大戦からまもなく70年が経過する現在、日本軍の「慰安婦」とされた被害者は今も、重大な人権侵害に対する真実・正義・補償・再発防止を求める戦いを余儀なくされています。
国連人権高等弁務官であったナビ・ピレイ氏が指摘する通り、日本政府が、戦時性奴隷制度に対する包括的で公正な解決を実現することを怠るなか、被害者の人権は第二次世界大戦後も一貫して踏みにじられ続けてきました。正義や補償を実現するどころか、最近の日本政府は、「慰安婦問題」の問題の法的責任を否定し、強制的性格を否定しようとしています。紛争下の女性に対する暴力を根絶することは、21世紀の今日における最も重要な課題のひとつですが、慰安婦問題の解決が放置されたまま私たちは前に進むことはできません。北京女性会議で世界の注目を集めた「慰安婦問題」に私たちは北京から20年目に立ち返り、イベントを開催することにしました。
今回のイベントでは、国際人権法の専門家とアクティビストたちがこの問題を取り巻く最近の状況と課題を報告するとともに、「慰安婦」とされた生存者の方からのスピーチとメッセージから改めて歴史を学びます。
【プログラム】
メッセージ:「慰安婦」生存者
パネル:
渡辺美奈さん (アクティブ・ミュージアム女たちの戦争と平和資料館(WAM))
Ms. Kelli Muddell (International Center for Transitional Justice, Gender Justice Program)
Ms. Shu-Hua Kang (Taipei Women’s Rescue Foundation)
モデレーター:
伊藤和子 (ヒューマンライツ・ナウ事務局長)
*上記プログラムは若干変更になる可能性もございます。予めご了承ください。
日時: 2015年3月9日 12時30分~14時
場所: Armenian Convention Center, Grand Ballroom, 630 Second Ave, New York, NY 10016 (35th Street & Second Ave.)
【お申込み】
このイベントに参加するためには事前に登録し、チケットを当日持参することが必要です。以下のウェブサイトから”NGO CSW Forum”に登録してください。メールでチケット・確認書が届きますので、印刷・持参して当日お持ちください。
https://www.eventbrite.com/e/ngo-csw-forum-registration-13715889595
メールでの問合せ March9nyhrn@gmail.com
【報告者とモデレーターの紹介】
伊藤和子氏: 弁護士 人権団体ヒューマンライツ・ナウ事務局長。UN Womenアジア太平洋地域市民社会組織アドバイザーグループの
渡辺美奈氏(アクティブ・ミュージアム「女たちの戦争と平和資料館」(wam)):wam事務局長。日本軍性奴隷制問題(日本軍「慰安婦」問題)を中心に、女性の人権、紛争下の性暴力に取り組む。「慰安婦」問題の解決に向けて、国連人権理事会、女性差別撤廃委員会、拷問禁止委員会など、国連の人権機関等に対しても情報提供を続けている。全国ネットワークの「日本軍『慰安婦』問題解決全国行動」共同代表。
Kelli Muddell氏 (International Center for Transitional Justice, Gender Justice Program):Kelli Muddell氏は2001年からICTJジェンダー・ジャスティスプログラムのディレクターとして勤務。シエラ・レオンでも同等のプロジェクトを担当。現在、紛争において標的となる性的マイノリティが「移行期における正義」メカニズムにおいてでどのように扱われていたかまた、いなかったのかの画期的研究を行っている。
Shu-Hua Kang氏 (Taipei Women’s Rescue Foundation):婦女救援基金會の最高責任者として慰安婦問題の犠牲者のために正義と補償を求め活動している。(http://www.twrf.org.tw/eng/p1-about.asp)
【主催(共催団体)】
ヒューマンライツ・ナウ: ヒューマンライツ・ナウ(Human Rights Now)は、日本を本拠とする国際人権NGO。ヒューマンライツ・ナウは、世界で今も続く深刻な人権侵害をなくすため、法律家、研究者、ジャーナリスト、市民など、人権分野のプロフェッショナルたちが中心となって2006年に発足。ヒューマンライツ・ナウは、国際的に確立された人権基準に基づき、世界の市民社会と連携し、人権侵害に苦しむ地域への事実調査 、実態の告発と意識喚起、政策提言とアドボカシー 、草の根で人権を守る人々への支援とエンパワーメントなどを柱とし、世界の人権状況の改善のために国境を越えて活動している。「慰安婦」問題に関しては、国際法に基づく解決を求め、政策提言、声明公表、意識喚起等の活動を日本国内外で展開している。(http://hrn.or.jp/eng/)
PEACE BOAT:ピースボートは1983年に創設された国際交流の船旅をコーディネートする非政府組織(NGO)です。「みんなが主役で船を出す」を合い言葉に、老若男女が世界各地を訪れ、様々な国や地域に暮らす人々と直接顔の見える交流を行ってきました。ピースボートが目指すのは船旅を通じて、国と国との利害関係とはちがった草の根のつながりを創り、地球市民の一人として、平和の文化を築いていくこと。そんな地球市民のネットワークづくりに必要な人との「出会いの場」や、世界が抱えるグローバルな問題を現地の人たちと共に考える「学ぶ場」、そしてそれを踏まえて実際に一人一人が「行動できる場」をピースボートは提供しています。(http://www.peaceboat.org)
WOMEN’S ACTIVE MUSEUM ON WAR AND PEACE(WAM): 2005年8月にオープンしたアクティブ・ミュージアム「女たちの戦争と平和資料館」(WAM)は、日本ではじめて戦時性暴力に特化した記憶と活動の拠点です。wamは、日本軍性奴隷制を裁いた「女性国際戦犯法廷」を発案し、実現に奔走した故松井やより氏遺志を受け継ぎ、①ジェンダー正義の視点で戦時性暴力に焦点をあて、②被害と同時に加害責任を明確に、③平和と非暴力の活動の拠点を目指し、④民衆運動として、⑤国境を越えた連帯活動を推進する、という5つの基本理念を持って運営しています。WAMでは特別展をはじめイベントの開催や調査、連帯活動を通して、多くの皆さんが被害女性たち一人一人の存在と人生に出会い、戦時性暴力の実態と加害責任に向き合ってほしいと願っています。そして、一日も早く被害者の正義が実現され、戦争や女性への暴力のない社会を築くため活動している。(http://wam-peace.org)
TAIPEI WOMEN’S RESCUE FOUNDATION: Taipei Women’s Rescue Foundation (TWRF) は性的取引に関わっている女性達に法的相談とカウンセリングを提供し、無事家族と社会復帰に手伝うために1987年9月に正式に登録されました。1987年から問題化されている台湾での女性の人身売買を排除するために結成された。(http://www.twrf.org.tw/eng/p1-about.asp)