若い女性や少女たちが追い詰められてしまう、AV出演強要被害とは?
調査報告書記者会見 2016年3月
「タレントにならない?」甘い言葉で若い女性をスカウトし、女性がひとたび契約書にサインをすると、突然AV出演を強要しようとする、そんな被害が相次いでいます。私たちヒューマンライツ・ナウは被害にあった女性たちから聞き取りをし、深刻な被害が浮かび上がってきました。衆人環視のまえで性行為を強要させられ、一部始終を撮影され、半永久的にその映像が普及する、とても深刻な女性に対する人権侵害です。深く心に傷を負い、自殺した女性たちもいます。
どうしてそんな被害にあうのでしょう。心が優しくまじめな女性ほど、業者の手口に追い詰められて、「自分さえ我慢すれば」と出演強要の被害にあいやすいのです。また、「歌手になりたい」などの大きな夢を描き、それを利用されて性搾取され、夢を台無しにされる例も後をたちません。
その被害はあまりにも深刻です。
私たちはこうした被害をなくすために、政府や業界団体に対して提言を行い、その提言はひとつひとつ実施されつつあります。でももう一歩前に進めたい、私たちは考えています。
一人でも多くの人に「あなたがいやなら断れます」とメッセージを届けた、被害を防ぎたい。そして、なんとか世論を喚起して、女性が泣き寝入りせずにすむ仕組みを社会に作りたい。
ヒューマンライツ・ナウのメンバーたち。
私たちは、クラウドファンディングにより、被害を防止するためのプロモーションビデオ、「あなたがいやなら断ることができます」を作成、公表しました。
https://www.youtube.com/watch?v=GxacJRbfmT0
制作会社、俳優、ジャーナリスト、ライター、ユーチューバーの皆様のご協力、そして何より支援者の皆様のおかげで、被害防止のための素晴らしいツール ができたことを心より御礼申し上げます。
これをもっともっと社会全体に普及したい。
そして、なんとか世論をもっと喚起して、多くの人に共感してもらい、出演強要被害が起きない社会の仕組みづくりをしたい、そのためには、人的なリソースも資金もまだ不足しています。私たちは資金と同時に、この問題で私たちに伴走してくださる方も求めています。
私たちは行動します。
くるみんアロマさん
このプロジェクトを担うのは国際人権NGOヒューマンライツ・ナウ。東京を本拠として世界と日本の人権問題に取り組む団体のメンバーたち。若い人もたくさん参加している団体です。AV強要被害にこの間真剣に取り組んできました。
そして、一緒に取り組んでくださるのは、「もうこんな被害は二度とおきてほしくない」そんな思いに駆られ、出演強要被害をカミングアウトされたユーチューバーのくるみんアロマさん。彼女がヒューマンライツ・ナウに相談を寄せられたことからこのプロジェクトは始まりました。
今、出演強要被害を勇気をもって告白する女性たちが次々と登場しています。私たちはこうした被害者の方々の想いを伝えるイベントや啓発活動などをもっともっと広げていきたいと考えています。
そしてこのプロジェクトには、くるみんさんの友人のユーチューバーさんや、出演強要問題について心配されている方々も様々な形で応援を申し出て下さっています。
AV出演強要を許さない。社会の仕組みをつくる。
私たちが公表した調査報告書
私たちはさらに、AV出演を許さないため、被害者が出た場合はすぐに相談することができる体制をつくり、被害を救済するメカニズムを作っていくことを提案しています。そのためには、法律の整備が必要であれば法律をつくっていく、そして関連する産業の関係者にも被害をうまない体制づくりを働きかけていきます。そう、ロビー活動を行い、被害防止、そして被害救済の仕組みをつくろうと考えています。
国会議員がひとつの法律をつくるまでには大きな世論の後押しが必要です。そこで、私たちはイベントを開催したり、メディアに働きかけるなど、出演強要を許さない仕組みづくりに必要なあらゆる広報活動も行っていきたいと思います。
それには私たちは費用を必要としています。是非皆様のお力で支えてください!!
ひとりでも多くの若い女性に声を届けたい。被害者が立ち上がった。
被害をカミングアウトしたくるみんアロマさんと伊藤事務局長
しかし、それでも後をたたない被害をなくすためには、一人でも多くの若い女性にメッセージを届けることが必要です。二度と被害を繰り返したくない、そう考えた出演強要の被害者であるくるみんアロマさんがヒューマンライツ・ナウに相談を寄せられたことからこのプロジェクトは始まりました。
「甘いスカウトに注意して」「自分の気持ちを大事にしてくれない事務所に夢を託すことができるの?」「一番大切なのは自分を大事にすること」「勇気を出して逃げて」被害を経験した人だからこそわかるメッセージを若い女性たちに届けたいと私たちは考えています。
そのために、動画等のツールを若い人たちにもっともっと拡散したい、学校で使えるような教材をつくりたいと考えています。
Japan Givingでの寄付について
ヒューマンライツ・ナウは、2016年12月からJapan Givingクラウドファンディングを募った結果、111万5500円のご寄付をいただきました。
いただいたご寄付は、以下のように支出させていただきました。
(1)キャンペーン費用 (プロモーションビデオ作成費を含む) 80万円
→①プロモーションビデオ完成しました!
②政府が今年5月に対策を決定しました!
(2)イベント開催費用 10万円
→3月と7月にイベントを開催しました!
(3)広告宣伝費 5万円
→HRNウェブ内に、被害防止を呼び掛けるランディングをつくりました!
(4)雑費 2万7142円
(5)クラウドファンディング関連費用 13万7358円
→クラウドファンディング手数料等。
クラウドファンデング目標達成しました!
これまでの成果を踏まえ、これからやりたいことは以下のとおりです。
・プロモーションビデオをもっと広め、届けたい(SNS広告、オーロラビジョン等)
・教材をつくりたい
・もっと啓発を進めること
・政府の対策が適切に進むよう、関係機関に働きかけること
・この問題に取り組み始めた関係者たちと情報交換を行い、研修をする。
・被害をなくすための仕組み=法律をつくること
これらの活動を実現するため、みなさまのさらなるご支援が必要です。
是非私たちの活動を引き続き応援してください。
支援方法
◆ 郵便局
郵便局備え付けの払込取扱票の通信欄にお名前、ご住所、ご連絡先と、「AV出演強要問題に関する寄付」とご記入の上、下記振込先にご寄付ください。
払込先:ヒューマンライツ・ナウ
口座番号:00120-2-705859